さて最近なかなかブログ更新できませんでしたが、それには理由があり。先週末より家族が入院してしまい、娘を男手一つで育てながらというメンパ超ストロングスタイルに突入した前田です。そしてなんだか疲れてきたな〜と思っていたらセルフビルドサウナログハウス造りに参加したりして
気づいたら簡単に限界突破してしまい、そこから胃腸炎になってしまいフラフラの中シングル子育てとなりまして世の中のシングルマザーの偉大さを痛感しながらも営業は石関さんにお任せできただけありがたかったです。のイマココです。
娘のお弁当も作れる大井屋の強面おじさんたこさんウィンナーご査証ください。
ほんと最近体調崩すとコロナかな?って思うからいやなんですが、検査の結果ノンコロナでしたのでご安心を。そしてできる限り換気しながらの営業となっておりますが、寒いのはお許し下さい。
ということでここ3日ほどほとんど仕事できなかったのでために貯めてあった書籍を一気読みしました。新しい発見もあったのでいくつかご紹介しておきます
『安部紀行 はまつづら抄』著作 桑原藤泰 編者 宮本勉
『東海道やますじ日記』著作 松浦武四郎 編者 宮本勉
江戸時代末期から幕末にかけての奥大井やオクシズを知るには重要な資料だとのことで先日の井川村史別巻海野信茂日記と併せて読むとなお面白いのです。
海野信茂日記
『安部紀行 はまつづら抄』著作 桑原藤泰 編者 宮本勉
これは井川メンパを知る上においても最重要資料だと思われます。中にこんな記述があります。
井川郷の物産
民の産業。冬に至れば各我家に在りて神の鉢、水柄杓、下駄、折敷、桶子、障子、戸板の子、桜皮或いは草ませの煙草入れの類、その他数点製して井川ものと称して、国府(駿府)、或いは甲斐国、遠江までも売りひさぐ事なり
このような記載が181ページにあります。これが書かれたのが天保14年1843年ですから幕末ですね。その時点でわかることはまだ井川めんぱという固有名詞が出てきていないことから、江戸時代末期には井川メンパというものはまだ存在したかもしれませんが、ブランディングされて認知のあるものではなかったように見えます。そしてこの記述の最初、神の鉢とあるのがまさしく井川メンパの源流となるもの。水柄杓がルーツとされる話がありますが、どちらも似ているものですがやはりメンパの躯体からして源流は神の鉢と呼ばれるものだと推測できます。
神の鉢についてはまたご紹介したい本がありますが、また今度。神前に捧げる神の鉢は檜であることが重要であり、かつ漆はおそらく塗っていない曲物であることだと思うのです。それがこの時点では井川メンパとしての商品として漆を塗った檜の曲げわっぱという観点においては存在していないように思えます。いや存在はしていたとしても何か一般的な流通商品としての漆を塗った弁当箱としての井川めんぱは存在していなかったと言えると思います。
ただ面白いことに海野信茂日記には当主として日々越前漆衆との交流が日記に記載されており、この点井川は漆の産地だったのか?もしくは消費地だったのか?いずれかであることは間違いなく、その辺りがわかってくると井川メンパの原初の風景が見えてくるようにも思えるのです。
また農閑期の冬に家庭内で作られたとあるように、主要産業として井川メンパが出てくるのはこのことから明治期になってからだろうと前田は考えております。
明治において武士が解体され、士族が職能を転換する必要があったこと。幕末においてすでに茶業は井川の中心産業であったこと。このことから井川土着の半農士族らは井川メンパをブランディングして組合を作ったと推測できます。その辺りもっと掘りたい記述もありますがまた今度。
とても面白いですね。メンパの研究してたら神の鉢へと歩みを進めることになりました。うーん。どこまで行こうかしらねえ?
2冊目
『東海道やますじ日記』著作 松浦武四郎 編者 宮本勉
頭によぎるのは以前読んだアーネストサトウの話。彼は確か明治も落ち着いたあたりに井川へ来ているはずなので、このやますじ日記は明治2年ですからひょっとするとアーネストさんはこのやますじ日記を読んで事前準備したのかも知れずですね。実際サトウが歩いた道はこの武四郎の逆打ちになっているように見えます。少し違うところもあるけれど。このやますじ日記の原本が見当たらないあたりひょっとすると英国に原本があったりするのかな?そうだとしたら面白いなあ。
アーネストサトウと奥大井のお話
この本の面白さは松浦武四郎というのはアイヌ調査をしたことで有名な人であり、あまりこのような静岡の山奥に来るような人というのがよくわからないところ。明治新政府の隠密役だったというのもあながちな話かもしれませんね。
幕末の混乱期。静岡もまだ駿府に山岡鉄舟が命がけで江戸無血開城を交渉に来た記憶が鮮明だった頃だろうと思うのですが、この時に山奥を政府からの依頼で調査しているというのはおそらく何か裏の意図があったのだろうなと思うのです。建前は第二東海道の調査となっているのですがね。なんだったんだろうなあ。
このあたりの資料を読んでいるのはもちろん井川めんぱのことを拾おうと思っていたのですが、いろんな面白い話も出てきます。山男とか、雪男とか、日本狼のこととか、日本一の刎橋とかね。まだまだいと面白き夜咄は書いてあるのですが、また気が向いたら書いていこうと思います。
静岡の近現代史は面白いですよ。ぜひみんなで掘り下げよう
大井川めんぱ一年以上待ちにつき予約停止のお知らせ
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079418193.html
古い井川メンパの塗り直し判断基準
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079221033.html
大井川めんぱ憲章 大井屋の守り継ぎたいこと
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079197377.html
曲げわっぱやめんぱのボンド仕様について
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079212989.html
大井屋漆ギャラリーくるみんじょオープンのお知らせ
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079126949.html
井川メンパ大井屋から大井川めんぱ大井屋へ名称変更の話
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079105560.html
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079114116.html
大井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1076721216.html
伝承は本当だったメンパ飯の美味しい食べ方
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079034901.html
メンパ修理の持ち込み先(島田市)
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1078909057.html
大井川メンパ大井屋価格表
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1078892706.html
大井川メンパの通販
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1076988181.html
井川メンパのお手入れの仕方
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1077332205.html
大井屋までの道順
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1077358319.html
大井川メンパ大井屋の提携店
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1078329902.html
Twitterアカウント maedapassion
インスタアカウント 01234chandesu
Facebookアカウント https://www.facebook.com/maedapassion
日々情報発信しております。どうぞお気軽にフォローしてください諸々のお問い合せは井川メンパ大井屋まで
静岡県榛原郡川根本町千頭1225-8
050-5894-2806
maedapassion@gmail.com
営業時間 9;00-17;00
定休日 水曜 木曜
井川メンパの塗り直しは1月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から。静岡県中部の方は店舗までお持ち込みください。
ただし大井屋で販売した大井屋印の井川メンパは年中いつでも修理対応いたします。また全国どこからでも郵送にて送ってください。優先して対応しております。
メンパは塗り直しだけではなくリメイクしてタッパー型のおかずメンパにすることができます。お弁当として引退したメンパはタッパーメンパにリメイクしてぜひご家庭にて使い続けてください。
ネーム入れのサービスも開始しました。詳しくは大井屋ブログを参照ください
にほんブログ村
工芸ランキング