井川メンパの番人 大井川めんぱ大井屋 

井川メンパとは檜の曲げ物に漆を塗った野性味溢れる昔ながらのお弁当箱として主に山仕事をされる方々に愛用されてきた赤石山脈周辺文化圏で受け継がれてきた特殊な民藝品です。2016年9月より静岡県榛原郡川根本町千頭に移住し井川メンパの制作から販売まで一貫して行う井川メンパ大井屋を営んでいましたが、2021年11月より大井川めんぱ大井屋として名称変更し再活動を始めた店主の前田佳則と申します。大井川めんぱは漆にシンナーや油などの混ぜものをしない塗りで、ボンドも使わない桜カバだけで縫い止めた昔ながらの井川メンパそのものを追求し制作しています。これらメンパは修理しながら長く使える機能的な漆塗り曲げわっぱです。赤石山脈周辺に脈々と受け継がれた山人の為の究極に考え抜かれた先人の知恵の塊とも言える漆塗り曲げわっぱであります。ぜひ皆さんの人生のお供にこの民藝品をお加えいただけることを願っております。大井川鐵道が千頭まで復旧する為に全てを賭けて頑張っていきますの大井屋でございます。よろしくどうぞ ®️登録商標第6540431号 大井川めんぱ 大井屋 https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1080733506.html 大井川鐵道全線復旧を支援する署名運動が始まりました。ぜひご協力ください 

すでに大井川めんぱをご利用されている方もこれから利用を検討されている方も、その造りの良さやお弁当ライフの心地良さが少しでも伝われば幸いです。2016年9月より大井川鉄道終着駅川根本町千頭にて独立開業した井川メンパ大井屋から2021年11月大井川めんぱ大井屋と名称変更しました。漆塗りの曲げわっぱとして最高峰を目指し日々精進して参ります。井川メンパの塗り直しは毎年1月に行います。国産まげわっぱの漆塗り修理始めました。現在在庫は全て売り切れており半年から一年待ちとなります。ご迷惑をおかけしておりますが何卒よろしくどうぞ https://www.facebook.com/ikawamenpa/ https://ikawamenpa.business.site/

2018年10月

やんばいでございます。静岡県の郷土工芸品井川メンパの大井屋店主前田でございます。こんばんわ!

さて先日は4年に一度の千頭の大祭りでございました。どんなだったかを少しご報告を。
千頭の祭りは各集落毎に山車を作って仮装行列をしながら練り歩くという趣向なので毎回テーマが変わります。我が桑の実集落はスターウォーズです。皆で毎晩2ヶ月かけて作った巨大R2D2です。
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毎晩本当に集まって制作もほどほどに毎回飲み会をやるというのがこの集落の鉄の掟。おかげで二ヶ月で体重が一気に5キロ増えていたことはまだ誰にも言ってないですが隠しようが無いので公表しておきます。このままではメンパ造りに差し支えるのでダイエットしましょうかね。
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たった20軒程度の集落ですがこういう時の結束力というのはなかなか凄いですね
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お祭りが始まって15分後。この後まさかの雷雨となり、雹まで降ってきてなんと踊りも何も出来ずに中止となりました。こんなことは初めてだとのこと。なんとも残念無念でした
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その後千頭の夜は大井屋の目の前の親水公園が会場となり花火とステージでの余興で締めくくりとなりました。あまり知られていませんが、花火がものすごい迫力です。距離が近いのにかなり大きい花火があがりますし、仕掛けもすごいんです。気づいたらなんにも写真とってませんでした。


そんなこんなで次回4年後は晴れてくれると嬉しいなと。メンパ屋は臨時休業となりましたがご迷惑おかけしました。ありがとうございました。

そして2018年10月29日現在の在庫状況でございますが、小判型ほぼ売り切れとなっております。丸型Lサイズとセット商品はすべて売り切れております。

現在ご用意できる在庫はお櫃各サイズ一組づつと丸型3L・LL・M・Sサイズと小判型Sサイズ若干数となります。全部で30組もありません。申し訳ありません

現在製作中の秋メンパはこのような状況ですので取り急ぎ小判型を仕込んでおります。11月10日前後に店頭に小判型を並べる予定で進行しております。その後丸型は半月程遅れて店頭に並べていく予定です。

なかなか充実した在庫状況にならないまま今年も終ってしまいそうですが、皆さんに満足していただけるオンリーワンなメンパを目指して頑張って行きます。

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静岡県榛原郡川根本町千頭1225-8
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メンパの塗り直しは2月8月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から



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やんばいでございます。川根本町千頭にございます井川メンパ大井屋店主の前田です。こんばんわ!

先日この夏に漆を搔かせていただいた鍵穴の漆の木を切り倒しに行って来ました。
漆の木は殺し掻きという手法で採取した場合、傷がたくさんあってそのまま育てても新たに漆を掻くこともできないので切り倒して萌芽更新させていきます。今回も残してしまうと茶畑に影響があるということで、地主さんから切って欲しいとの要望がありました。
高橋さんだけでは木が大きすぎるので倒すのも難しいと思い、私も手伝うつもりでしたがなんせ大きい木ですのでチェーンソーに慣れた人材ということで川根本町の地域おこし協力隊員鈴木健二さんにサポートしていただきました。
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高所伐採。茶畑に落ちないように。前田はロープ引張り係でした。
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一夏お世話になった木があっという間に景色から消えて行く。ちょっとせつないすね

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木の高いところにあった太い枝は手が届かなく無傷だったので持ち帰って枝漆として掻いてみました。
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色も薄くて力の弱っているのがよくわかります。量もほとんど取れません。でも無駄にはできないので大切に使います。量が少ないのでうるし木のお箸に摺漆で使っています。
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これにていったん今回の漆掻きのお勉強はすべて終わり。来年また高橋さんにいろいろと教えていただく約束をしました。

漆掻きを体験してみて漆に対する考え方とか仕事への姿勢がかなり変わりました。漆を大切に扱う事へ敬意を覚えたことによって漆を最大限有効活用する為の己の技術向上への姿勢などがかなり変わりました。同じ量の漆でもできれば最高な状態で良い使い方がしたいと思うようになりました。
漆が漆として我々に命を別けてくださったことを感謝して無駄なく意味あるメンパに仕上げていきたい。そう考えるようになったわけです。

現在秋メンパの仕込みで漆塗りの段階ですが早速かなり良い変化が見られます。深く漆に感謝する姿勢が制作への心持ちをポジティブに変えてくれるなんて想像できませんでした。思わぬ副産物と言えます。漆工に関わる方々はぜひ漆掻きを一夏通して体験されることをおすすめします。自分たちが普段使っている漆が如何に貴重かを体験で知る事は漆への深い探求心を呼び起こしてくれるきっかけになると思います。


漆掻きはしばらくありませんが、来年の春に向けて漆の苗木を植える事。また漆の実から苗を育てる事を今後やって行きます。その準備ももろもろと進めながら秋メンパ頑張っております。
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やんばいでございます。静岡県榛原郡川根本町千頭の井川メンパ大井屋店主前田でございます。こんにちわ!
先日は無事に千頭の大祭りが終わりました。朝から神楽で笛を吹いて山車を引いて雨と雹に打たれて親族一同を介しての宴会と集落の宴会と花火とそれはそれはもう大忙しでした。このあたりについてはまた後日報告を。

さてさてメンパ屋の方は相変わらず秋メンパの仕込みをしております。天気の問題やお祭の準備などで予定よりだいぶ進行が遅くなっておりますが、最近は焦らないことをこころがけております。
我々のような手仕事というのは心の在処でだいぶと出来上がる物が変わるように思います。さらにそれは熟練した職人こそさらに影響を受けると思います。仕事に心が支配されなくなれば、逆を言えば心が揺れるその影響というのがことさらに大きく仕事に帰ってくるもののような気がしています。
メンパ屋として数年専心していると、だんだんと慢心というものも頭をもたげてくるものです。割りとそういうことに敏感で居る方だとは思っておりますが、どうしてもこのくらいでと片付けてしまう時というのはやはり心が焦っているからだと思います。

手仕事がもたらす効能というのは、どうやらこういうところに逆説的に到れる一つの方法論とも言えると思います。手仕事に熟れてくると手の動きよりも心の動きに気づくようになるとも言えると思います。当然手仕事をしていればストレスが溜まるもの。大事なのはその心の揺れ動く様に気づくかどうかなのだと思います。タイトルからしてなにか手仕事は悟りの境地へ誘ってくれるものか?という崇高な推理をされた方もいるかと思いますが、手仕事はやはり仕事。やればやっただけ疲れというものは溜ります。ただ心の動きに意識を向けるアプローチとしては最高な行為だと思っています。ただただ動くだけでは単なる作業でしかないわけです。

現在の我々は日々猛烈な情報の行き来きの中で産まれる感情の起伏をコントロールして生きています。これは気づいているようで気づいていないものです。以前にも阿羅耶識とかいわゆる深層心理のことについて書いたことがありますが、我々のこの心の深い淵のどこかで水が溢れかかっていることに気づくか気づかないかはかなり大事な問題だと思います。手仕事をすることはこの心の中で溢れかかっていたいろんな物を私に気づかせてくれました。手仕事無しでは生涯を経てもそこには気づけなかったかもしれません。
怒りや悲しみ喜び慈しみ。いろいろな感情やその多寡がありますが、メンパづくりをそういった心のコントロールの舞台と思って取り組んでみると違った景色が見えてくると思っております。生きるというのは心の安寧という場所へ向かうべきと思っていましたが、向かおうと意識するのではなく安寧はいつでも実は手のひらに収まっているという事実に気づいたりできる。それがメンパ道だったらええなと。

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子が産まれ育てる行為の中でメンパ造りはだいぶ大きく軌道が変わったように感じます。

我が心で紡ぎだすメンパというものがどんな井川メンパとなっていくのか。自分でも楽しみになってきました。手から先へ放たれる感情や意識はどんな作用を漆に与えるのか?そんな事も考えながら日々メンパ道歩んでます。
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千頭在住の書家 大石宏先生に書いていただきました。看板負けしないよう精進してまいりましょう!

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やんばいでございます。井川メンパ大井屋店主の前田でございます。だんだんと寒くなってきましたが秋メンパちょっと進行が遅れ気味ではありますが、川根で言うところのこじっかりとやっております。

さて先日は漆掻き最後の日となりました。いわゆる止め漆という作業となります。呼んで字の如く、夏にエネルギーを出しつくした漆の木からさらに止めの漆を掻き、漆の木を切る。これがいわゆる殺し掻きという専業漆掻きのやり方になりますが今季最後の作業となりました。

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裏目漆のちょうど真ん中にズババアと一気に傷をつけていきます。
この夏つけた傷は20回に及び漆の木はほとんどエネルギーを使い果たして葉っぱがすでにみな散っています。この傷のつけかたも殺し掻きと養生掻きではいろいろと違ってくることも教わりました。
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漆もあまり出てこないですし、色味も薄くなっています。食材に旬があるように漆にだって旬があります。そしてそれをいかにして良い状態を保つかというのも今後の課題かと思います。
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高橋さんのこの勇姿も見納め。何回見てもとても90歳直前とは思えない。来年も教えていただけることは間違いないでしょう。
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殺し掻きした木はそのまま置いても傷だらけで利用価値がないので切ってしまうのですが、それは後日にやることに。その前に大きめの枝から取るいわゆる枝漆のやり方も習います。
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さらに小枝からも漆を取ることをセシメ漆と言います。枝漆やセシメ漆は漆掻きの中でも日傭の者ではなく親方に弟子として入った内弟子というのかな?親方付けの職人さん達がやる作業だったとのことです。
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一夏足繁く鍵穴に通った我々はいつの間にか集落で噂になっていたようで、近所の方がなんと50年ものの柿渋をくださいました。どうせ捨てるつもりだったのでと有り難くいただきましたが私にとってはなんとも嬉しい宝物。すでに臭いは臭くなくヴィンテージワインのような香りでした。今後大事なものにだけこの柿渋を塗ってみたいと思っています。

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おまけですが、帰り道をいつもとは違う裏道を通ってみました。鍵穴の少し上流から川根方面に抜ける道があるということでなかなかのオフロードを突き進むと大畑牧場に出ました。ヤギや羊やポニーもいるのね。それにしてもほとんど車が通らない旧道のようなところにも未だに集落が点在しているものです。田舎とひとくくりにしてもこれだけ離れ小島のようなところに住んでいる人達は本当に凄いなと感心したものです。

これをもって2018漆掻きの特別講義が終わりました。高橋さんにはお礼に先日これまた高橋さんから頂いた漆の枯木から木地を切り出して今年取った5辺目の漆で摺り漆したお箸をプレゼントしました。
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漆の木というのは黄色いんですね。そして軽くて硬い。お箸にはもってこいの材料だと思います。お店でもぼちぼち販売していこうかと思ってます。
メンパ用うるしonURUSHI箸 
親 1600円
子 1400円
セットで買ったら2800円
こんな感じにしようかと思ってます。すべてフリーハンドで切り出しているので大きさ形に違いがある場合もあるかもしれませんが、まあ逆にそれがええんじゃないかと思っています。

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やんばいでございます。静岡県川根本町千頭1225−8番地にございます井川メンパ大井屋店主の前田です。こんにちわ!
さて本日は朝から秋メンパの柿渋弁柄下地塗りを行っております。自家製の柿渋で弁柄を溶いて塗っていくのですが、柿渋の臭いが凄くて鼻がおかしくなりそうのでちょっと休憩しながらブログを更新しておきます。

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今日大井屋に2月の塗り直し依頼で来てくださったお客様から面白いものを頂きました。以前に井川メンパ海野さんのところで購入した井川メンパの塗り直しを依頼してくださったのですが、当時の袋とその中に入れておられた井川メンパのしおりというものが残っていました。この内容が井川メンパがどういうものか?というのを詳しく説明してくれており、とても興味深いので要約して当ブログでご紹介しておきます。

以下井川メンパのしおりの内容です

井川の曲げ物も、すでに鎌倉時代ごろから作られていたと考えられます。特に室町時代には金山が繁栄しましたから、その金山の水替えにはどうしても現在のバケツに相当するメンツーや水柄杓が必要だったと思われます。

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井川に住んでた私の曾祖父がつくった水柄杓。このことを言ってるんだと思います。

しかし井川の曲げ物が文献上ではっきりするのは、宝暦1731年の小河内村の「差し出し帳」に「惣百姓、耕作の間にわけ物細工仕り、ご年貢諸役、塩つなぎ仕来たり候」と記されているのが最初です。これによって、農家が現金収入を得るために副業として曲げ物細工をしていたことがわかります。それから文化十一年(1814)井川を調査した桑原藤泰は井川郷の民の産業冬に至れば各我家に在りて神の鉢、木柄杓、下駄、折り箱、桶子、障子、戸板の子、桜皮或いは草ませのなばこ入れの類、その他数点製して井川ものと称して国府、或いは甲斐、遠江までも売鬻ぐことなりと記しています。
この頃すでに井川ものと言って曲げ物がかなり広く売られていたことがわかります。静岡の川西屋は明治17年に小河内全部の製造業者達と販売の契約を結び各地へ販売をしていました。

いぜん井川メンパの製造組合があったという話を書きましたが、これを読む限りすでに明治ごろから組合かはわかりませんが組織的な生業となっていたことが伺えます。

明治の末に書かれた井川村史には「産物トシテ見ルベキ程ノモノ少ナキモ曲物及ビ金ナリ。当地ハ曲げ物材料豊富にして従来個人的作業をなして大事業にあらざるも其の質堅牢にしてメンパは近諸村の農家はよくこれを使用し柄杓は広く用いラルに至れり故二十数名にして年中其の業に従事ス」すでにこの頃は副業ではなく専門の手工業となっていたことが知られます。

ということはやはり江戸時代以前は産業というよりも自家消費を前提にしたような生業で販売も個人単位だったものが明治に専業として成立したように伺えます。産業としての井川メンパの興りはこの頃ではないでしょうか?また文末には静岡市史編集委員駿河古文書会顧問 宮本勉 と書いてありました。

井川の小河内で確かに曲げ物をつくっていたのは私の曾祖父の物が出てきているので間違い無い事実だと思われます。また他の書物には井川の上坂本に漆塗りの技術があったという記述もみかけますので、そういったものが集まって明治初頭にブランド化されていったのだと思われます。
小河内という一番奥の村が私のルーツでもあり、私の師匠の望月栄一のルーツでもあります。そして実は私の母の旧姓も望月であり、名前も栄(さかえ)と申します。勘の良い人なら何が言いたいかわかっていただけるとは思うのですが、ここから先の話はまたいつか時期が来たらお話したいと思っております。

私は井川メンパを修業して現在は川根本町にて起業させていただきメンパ造りに取り組んでおりますが、メンパのルーツを知ることは我が身のルーツを知ることにもなりました。人生というのは自分ではどうにもしようもなく紐付けられていることがあり、それに寄り添って生きるのもまた歩みを間違えない為の導きかもしれません。今後も井川メンパ大井屋としてはかつてのメンパの繁栄をどのようにして取り戻してゆくかを真剣に取り組んで参ります。

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やんばいでございます。静岡県指定郷土工芸品井川メンパの大井屋は店主の前田でございます。こんにちわ!
さて本日は午前中に恒例の漆掻き修業に行ってきました。午後は半休ということでのんびりさせてもらっているのでブログ更新でございます。
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漆掻きも10月に入り本日の裏目漆と後日の止漆で最後となります。山々の木々も若干黄色く色づき初めていますが、温暖化でしょうか?外気温はまだまだ夏といえそうな位い暖かだった今日です。
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9月までの辺漆が終わると裏目漆という作業になります。傷をつける場所がだいぶ変わってきます。
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漆の質はだいぶ水分が多いようで、我々が拭漆に使うような色味の漆でした。
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たかっぽにたまった漆を見せてもらって覗いてみると透明度はかなり高いように感じました。
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そして今日の結果はなんと今期最高の取れ高となりました。定石でいけば盛りのあたりが一番たくさんでるはずなんですが、10月に入ってまだとても暖かいということとしばらく期間を開けていたということと、今まであまり責めてこなかった木の上の方をしっかり攻めたからでしょうか。
高橋さん曰くこんなことは今までなかったと言っていました。普通は裏目漆というのはこんなに出るものではないそうです。漆掻きというのはそれこそこういうものだ!といった厳密なルールというのはあるわけではない分、先達の言い伝えなどをあまり疑うこと無くそのままでしか実践してこなかったのかもしれません。場所や漆の品種や気温、降水量などなど。様々な条件で漆の出る出やすいはまだまだ探っていける余地があるなと感じました。100年近く前の方法論を前提に行っているわけですから根本的に道具や行為全てにおいて見直す余地というのがありそうな気がしています。

そんな漆掻きも一夏見続けてみるといろんな事が見えてきます。10年先どうなっていくか非常に自分でもワクワクしております。漆の実のなる国に戻ってるといいなと思います。

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やんばいでございます。静岡県榛原郡川根本町千頭で開業して丸2年が経った井川メンパ大井屋店主の前田です。こんばんわ!
本日は秋メンパの木地を空研ぎ作業が中心でした。修行時代から今までのやり方では空研ぎというのはいわゆるバリ取りであまり木地に手を加えないやり方でした。その分カンナがけを繊細にという風に仕立てて来たのですが、いろいろと思うところがあり最近は木地全体的な空研ぎを行うようにしています。
昔の風合いを出すべきなら正直空研ぎはいらないと思うのですが、小奇麗なものが良しとされる感覚は否めないのでしばらくはそういう方へと向けていってみようかと思ったわけです。しかし空研ぎ作業はなかなか骨の折れる作業でして、疲れては休みの繰り返しです。後2日は空研ぎ作業が続きそうです。

さて空研ぎついでに井川メンパの木地造りについて考えてみました。
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メンパ職人になるにはいわゆる曲物師という木地師の技術が必要になります。
現代では木工機械の発達で昔の様に木地の選定というのはそこまでシビアでなくてもかまわないかもしれません。しかし曲げ物の時に大事なのは木を曲げることですので、いわゆる目の悪い木というのは避けたいもの。綺麗に見えても曲げてみると割れが入ったりするわけです。簡単にたくさんの木地を切り出せる現代では歩留まりが悪いとかこういうのを無視してやる方法論もあるかもしれませんが、やはり無駄を出さないという視点でいけばそういう見立てが出来て然るべきだと大井屋は考えております。

こうやって川根でいろんな木材を見る機会がある環境にいるとだんだんとわかってきたこともあります。曲物師の場合はヒノキや杉だけ見て終わる人もいるかもしれませんが、日本には様々な木材が自生してきてそれらを巧く使っていったからこそいろんな技術が広がってきたわけです。そういうことをイメージしながら知識を積み重ねていくとなんとなくメンパというか曲げ物の既成概念に囚われすぎている有り様が見えてきました。

井川メンパの材はすべて檜であると以前ブログにも書いたのですが、檜か?杉か?の二者択一がすでに囚われすぎて居るように思います。広葉樹や硬木の類でも木取りする部位や加工の方法次第ではどんな木材でも曲げ物として成立させることができるように思います。今の我々のやり方はあくまでメンパをたくさん簡単に量産することを念頭にしているので檜一択ということになりますが、木表とか木裏をどう使うか?等を考えていると尚更もっと木材自体の個性を見なければ意味が無いと思ったり、板目でも柾目でも本来大事にするべきは木の目の読み方だったりと。
正直どれが正解というのは無い世界だと思います。むしろどれも無駄なく利用するにはどうすべきか?という視点で物づくりをすべきで、そこから思考を飛躍させてみて思ったのですが、自分の都合にあわせて用意された木を仕入れて使いやすい部位を大量消費して無駄なものはどんどん捨ててゆくというスタイルを捨て、一つの山からいただける木材を無駄なく利用し、あるものの中最高なものが何かを深く吟味して形にしてゆく。究極そういう物づくりができればここに住んでいる意味もあるように思えてきました。

私が川根産、大井川筋産の檜にこだわっているのはどうやら根底にこんな考えが眠っていたからかもしれません。本当はいろんなそこにある木材でというのがやりたいのですが、まだまだそんな時期ではないけれどせめて使うひのきは身の回りの物を使いたいと思っています。
尾州材のように使いやすい高級材料というものも手に入れるのはそんなに難しくない現代ですが、あえて大井屋としては目の前の材と向き合い、無駄の無い循環型な工芸生活を究極目指してゆきたいと深いところで温めてゆこうと思っております。


3連休ですがメンパ屋は通常通り稼働しておりますので、お近くまで来られた際はぜひ店舗までおたちよりください。
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さて日曜日の台風以来体調を崩したりでなかなかブログ書けませんでした。消防団で台風の最中びしょ濡れで土嚢を積んだり朝まで水位の確認とかしてたら風引いた次第です。もう40歳なので無理すると身体は正直なのです。いずれにせよ誰も怪我などしなかったのが幸いです。温暖化は間違い無く台風の巨大化を誘引していると感じます。我々はもっともっとナイーブなくらいに自然と対話すべき時代になったのかもしれません。世界が壊れる事のないように未来へと繋いで行きたいものですね。
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大井川沿岸でいつも公園なところまで水が来ていました。
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ものすごい量の流木。薪ストーブに突っ込んだら3年分くらいありそうですね。でも流木は石を噛んでいるので燃やすとはぜて耐熱ガラスが割れることがあるんだそうです。だるまストーブなら使えると思います。目の前のエネルギーがもったいないので今年か来年くらいにだるまストーブ入れたいな。

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さて今週水曜日にまた漆掻きに行って来ました。いよいよ辺掻きの最終日となりました。通常の漆掻きスケジュールでは9月一杯で辺掻きを終えるということで今年は20回を数えて終りとなりました。
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傷がなんだかアートに見える。傷を如何にして綺麗に見せるか?これが漆掻き職人のちょっとしたこだわりらしく高橋さんは人が見るかもしれない道路沿いなどの漆木は丁寧に傷をつけて綺麗な傷を見せたいもんだと言っていました。面白いですね。誰が見るかわからないし見ないかもしれないけれど自分の仕事の綺麗さを知ってもらいたいという孤独な漆掻き職人のこだわりなのか。
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漆を掻いた木はエネルギーが果ててこの時期すでに葉っぱを落とすようです
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我が家の幼木の漆はまだまだ青々としているのですが殺し掻きした漆の木は終焉へと向かっている様子でした。
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これで辺掻きが終ったので後は裏目と止め漆と枝漆を教えてもらって今年の漆掻き修業も終わりです。
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高橋さんが今年取った漆を見せてもらいました。漆がふくという現象を確認。しかしまあこんだけやってこれだけしか取れないっていうのはほんと貴重なものなんですよね。

と、こんな感じで漆掻きも無事とりあえずは全体像が見えてきました。そしてこれからのやるべきこと、学ぶべきことも見えてきました。まだまだこれからたくさんの出来事が待っていると思うと楽しみです。

漆の未来も、メンパの未来も、我々人類の未来も同じ線の上にある気がしています。

これからも井川メンパ大井屋の活動をご贔屓いただければ幸いです。

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