やんばいです!花粉症もやんばいです!井川メンパ大井屋です。
最近やっている工程は カバさび、底さび という工程です。この錆付けは曲げわっぱの中でも井川メンパがかなり特徴的な工程になると思いますので、どんなものか簡単に説明したいと思います。
まず底さびというのは、下の写真のように底の板と側面の板の隙間を錆漆というもので覆い、隙間を防いで水漏れを防止する工程です。
錆漆というのは、うるしと土や泥(井川メンパの場合は砥の粉)を混ぜてパテ状にしてヘラ一本で盛っていきます。特に大井屋のメンパはこの素材にこだわってみました。
砥の粉は京都山科産の赤砥の粉を使います。砥の粉も赤、黄、白といくつか種類がありますが色味的なこと、粒度を考えて赤を使っています。ただ渡しの場合はそれだけでは面白く無いので、静岡の山から取ってきた珪藻土を混ぜてブレンドしています。私の持っている珪藻土は砥の粉よりも色味が溜塗りに合っているので混ぜているのですが、さらに珪藻土だけだと粒子が細かすぎて底さびの場合盛った時に肉持ちが足りません。ですので、底錆の時は砥の粉の比率を高くしています。
そして桜の皮の縫いを覆う、かばさび。
こんな感じで桜の縫いをカバーします。接着剤を使わないので樺が切れると木が離れてしまいます。
ですからこの錆付けは大事です。こちらは粘度よりも耐久度が大事なので珪藻土の比率を大きくしています。
ほとんどの国産曲げわっぱもすでに接着剤を併用しており、このように縫いを守る錆付けをする産地や商品は私の知る限り井川メンパ以外にほとんど見かけません。コクソのようなものでカバーするのはいくつか見たことがありますが、恐らく手間を隠すようなことがしたくなくてそうなったのかと思っております。
漆もいろんな種類があり、当然塗り用と下地用とでは違いがあります。下地用だと固まる速度が早いということと、それこそ硬度が強く固く仕上がると思います。カリッと早く上がれば研ぎ出しの工程にも早く進めます。
上の灰色のものが珪藻土。下の肌色のが赤砥の粉
左が砥の粉のみ。真ん中は半々のブレンド。右が珪藻土のみ。
緑茶を混ぜてこのように粘土状にします。なぜ緑茶なのか?それはまったくもって理由はわかりません。昔からそのようにヤレと言われており、恐らくそれだけ大井川上流部の生活に緑茶が身近で、それを使ったら具合が良かったのでしょう。漆器の先生は別に水で良いと言われてましたし、産地によっては酒を入れたりするところもあるそうですね。実際底錆の方には焼酎を少量入れます。まあ、このへんもう少しこだわれないかな?と思っていろいろ探っていきましたら、例えば水道水に含まれる塩素が漆の酵素活動にあまり良くないと気づいたわけで、早速
近所の山にある湧き水をくんで来て使ってます。このへんのこだわりは恐らく全く見た目に現れませんが、良いのです。こういうことしているのが面白いし、違いがたしかにあると思ってます。
と、まあ他の曲げわっぱに無いかなり特徴的な井川メンパの錆付け。
気になる人はまたお店に寄ってみてください。もうちょっと詳しく説明します。今年はこの珪藻土を井川に採取しに行きたいと思っております。聖岳の麓にそういうベト場という珪藻土の出る層があるようですね。獣がミネラルを求めてこの泥をなめに来るそうです。
動物が健康の為に本能的に求める素材で造る。そういう井川メンパになれたら面白いなァ
今後とも大井屋の活動を応援いただけるように頑張ります!
最近やっている工程は カバさび、底さび という工程です。この錆付けは曲げわっぱの中でも井川メンパがかなり特徴的な工程になると思いますので、どんなものか簡単に説明したいと思います。
まず底さびというのは、下の写真のように底の板と側面の板の隙間を錆漆というもので覆い、隙間を防いで水漏れを防止する工程です。
錆漆というのは、うるしと土や泥(井川メンパの場合は砥の粉)を混ぜてパテ状にしてヘラ一本で盛っていきます。特に大井屋のメンパはこの素材にこだわってみました。
砥の粉は京都山科産の赤砥の粉を使います。砥の粉も赤、黄、白といくつか種類がありますが色味的なこと、粒度を考えて赤を使っています。ただ渡しの場合はそれだけでは面白く無いので、静岡の山から取ってきた珪藻土を混ぜてブレンドしています。私の持っている珪藻土は砥の粉よりも色味が溜塗りに合っているので混ぜているのですが、さらに珪藻土だけだと粒子が細かすぎて底さびの場合盛った時に肉持ちが足りません。ですので、底錆の時は砥の粉の比率を高くしています。
そして桜の皮の縫いを覆う、かばさび。
こんな感じで桜の縫いをカバーします。接着剤を使わないので樺が切れると木が離れてしまいます。
ですからこの錆付けは大事です。こちらは粘度よりも耐久度が大事なので珪藻土の比率を大きくしています。
ほとんどの国産曲げわっぱもすでに接着剤を併用しており、このように縫いを守る錆付けをする産地や商品は私の知る限り井川メンパ以外にほとんど見かけません。コクソのようなものでカバーするのはいくつか見たことがありますが、恐らく手間を隠すようなことがしたくなくてそうなったのかと思っております。
漆もいろんな種類があり、当然塗り用と下地用とでは違いがあります。下地用だと固まる速度が早いということと、それこそ硬度が強く固く仕上がると思います。カリッと早く上がれば研ぎ出しの工程にも早く進めます。
上の灰色のものが珪藻土。下の肌色のが赤砥の粉
左が砥の粉のみ。真ん中は半々のブレンド。右が珪藻土のみ。
緑茶を混ぜてこのように粘土状にします。なぜ緑茶なのか?それはまったくもって理由はわかりません。昔からそのようにヤレと言われており、恐らくそれだけ大井川上流部の生活に緑茶が身近で、それを使ったら具合が良かったのでしょう。漆器の先生は別に水で良いと言われてましたし、産地によっては酒を入れたりするところもあるそうですね。実際底錆の方には焼酎を少量入れます。まあ、このへんもう少しこだわれないかな?と思っていろいろ探っていきましたら、例えば水道水に含まれる塩素が漆の酵素活動にあまり良くないと気づいたわけで、早速
近所の山にある湧き水をくんで来て使ってます。このへんのこだわりは恐らく全く見た目に現れませんが、良いのです。こういうことしているのが面白いし、違いがたしかにあると思ってます。
と、まあ他の曲げわっぱに無いかなり特徴的な井川メンパの錆付け。
気になる人はまたお店に寄ってみてください。もうちょっと詳しく説明します。今年はこの珪藻土を井川に採取しに行きたいと思っております。聖岳の麓にそういうベト場という珪藻土の出る層があるようですね。獣がミネラルを求めてこの泥をなめに来るそうです。
動物が健康の為に本能的に求める素材で造る。そういう井川メンパになれたら面白いなァ
今後とも大井屋の活動を応援いただけるように頑張ります!