やんばいでございます!川根本町千頭大井川めんぱ大井屋店主前田です。おはようございます。


夏が来ちまったと思ってたらまたしっかり梅雨らしくなってきてしまい嬉しいような辛いような。そんな奥大井です。今日はどんよりしっとりです。さてそんな休日のはずですが、昨日は石関を連れて大井川メンパには必要不可欠な桜カバを採取して参りました。



川根に移住してきて最初にやったのがこの桜カバ採取でした。あれから丸6年。久しぶりに桜とりに出かけました。前回同様川根本町の八木集落は芦沢さんのお山から分けていただきました。いつもありがとうございます。

この桜カバについても色々とこの6年で考えが至り、大井川めんぱに必要であるその素材感というのを確信してきた昨今です。どういうことかというと、私が習った採取方法や原則としてはまずは木は切り倒すものだと聞いてきたのですが、どうやらそれはより短時間に効率的に採取するために全てを剥がしてしまうことでその後立ち枯れてゆくから伐採を前提にしている方法論だったわけです。

ただカバ桜を採取しているのは何もめんぱ屋とかワッパ屋だけじゃないですよね。樺細工なんかではもっとたくさん利用されるし、昔はいろんな道具の素材としても利用されてきたわけです。そういう昔からの採取方法を眺めてみると立木から間隔を空けて部分的に樹皮を採取しておけば樹勢は衰えきらずそのまま成長を続けるので古来の樺取り職人はむしろこのように木を枯らさず、数年置きに採取したように見られます。確かにその方が持続性があるやり方ですね。漆かきの養生掻きから殺し掻きへの変遷も同じようなものが理由だろうと前田思うわけです。効率、採算性を最優先したやり方が伝統として置き換わっているということなのです。


その山とそこにある木を永続的に眺め、利用することがなければ自ずとそうなるものですので否定はできないものですが、心意気としてはやはり大井屋が思うには自然から恩寵を受けるには奪うというようなアプローチではなく、分けていただくという行為であって欲しいと思うようになったのですね。ですから桜も檜も漆も柿渋も無駄なくどうやって使うかという命題は忘れずにいたいと思うのです。

我々のような物作りをやるものにとっては、どのレベルの精神姿勢でそこに挑むか?というのは利益や、めんぱの見た目にはすぐに反映されるものでは無いですが、前田思うに物事は表面的な事象の情報量よりもむしろメタファーにこそ真価を置いておくことが永続的な商品として人々に愛される秘訣だろうと感じているので昔から行っているように見た目だけを追い求めても仕方ないです。感覚です!感覚って言ってます。そういうこと。



桜のカバを眺めていて思うのですが、なぜ近代のめんぱや曲げわっぱがボンド使いから脱却できないのか?それはやはりこういうもののありようが非常に実は複雑で煩雑なものであるからでもあります。例えばカバ桜は薄くて、はだめが綺麗で、つまり樹齢が少ない幼木でなるべく赤味を帯びたものが良しと習ったとします。実際そう習ったんですがね。


でもそれは結局のところボンドで補強し整形するという方法論に立った時の行動原則なのです。薄い方が木を縫い止めるときに作業しやすい。ただそれでは強度に問題がある。いっそ縫いも減らして飾り的な縫い、化粧縫いへと変えてボンド整形を前提にしためんぱ作りの上に立ったカバ選びということになるわけです。
前田というか大井屋がボンドと手を切るには確かに苦労した部分はありますが、そこが一番大事だと創業当初から思い最初に立ち向かった事象でした。そして今またこの6年のフィードバックを入れ込んだ行動原則を今回からは華ちゃんにも伝えていくことが出来た。それは少なからず誇ることもできることだなあと自負できるそんな気分であります。



さてめんぱですが、在庫それなりに揃いました。予約された方で今回提供できる方々にまだ連絡できておりませんが昨年の秋くらいまでの方には随時連絡していけそうです。そんな感じになっておりますが、もうしばらくめんぱお待ちいただければ幸いです。毎日結構忙しいんですよ?めんぱ作るってそりゃ色々やらなきゃいけないこういう作業や工程が見えないところに山ほどあるのです。どうぞ、ゆっくりじっくりめんぱのことを考えていただける皆さんにお届けできればと思っております。お大井屋を今後ともどうぞよろしく


大井川めんぱ一年以上待ちにつき予約停止のお知らせ
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大井川めんぱ大井屋 商標登録番号第6540431号
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メンパサイズの紹介 丸型
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メンパサイズの紹介 小判型
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古い井川メンパの塗り直し判断基準
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大井川めんぱ憲章 大井屋の守り継ぎたいこと
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曲げわっぱやめんぱのボンド仕様について
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大井屋漆ギャラリーくるみんじょオープンのお知らせ
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井川メンパ大井屋から大井川めんぱ大井屋へ名称変更の話
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079105560.html
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079114116.html

大井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
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伝承は本当だったメンパ飯の美味しい食べ方
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メンパ修理の持ち込み先(島田市)
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大井川メンパ大井屋価格表
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大井川メンパの通販 
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井川メンパのお手入れの仕方
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大井屋までの道順
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大井川メンパ大井屋の提携店
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営業時間 9;00-17;00
定休日 水曜 木曜

井川メンパの塗り直しは1月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から。静岡県中部の方は店舗までお持ち込みください。

ただし大井屋で販売した大井屋印の井川メンパは年中いつでも修理対応いたします。また全国どこからでも郵送にて送ってください。優先して対応しております。

メンパは塗り直しだけではなくリメイクしてタッパー型のおかずメンパにすることができます。お弁当として引退したメンパはタッパーメンパにリメイクしてぜひご家庭にて使い続けてください。

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