やんばいでございます。静岡県榛原郡川根本町千頭にございます大井川めんぱ大井屋店主の前田です。おはようございます。

今朝の冷え込みはそこまででもなかったかなと。今のところ朝方は5度くらいまで下がるくらいですが、来月あたりになれば0度くらいまでは下がって来そうですね。1月の厳冬期ですと氷点下まで行くことも結構ある奥大井。静岡県って温暖だと思われているのですが、実際ほとんどが沿岸部に市街地があるので確かに向こうは暖かい。しかし内陸に少し入っただけで結構気温が下がる地域になるのも静岡県の特徴です。冬は海辺で。夏は山間部で。という理想的な近場2拠点生活を考えている人にはもってこいの地域です。ぜひ何か未来は都会から地方へと考えている方にはこの奥大井を中心に静岡という土地へ足を運んで感じていただきたい諸々がございます。今日はそんな未来の地方生活についてのお話を少し


さてさて今日は定休日ですので普段できない掃除とか、諸々の経理仕事なんかを進めながら気分転換に大井屋の前田がここ5年かけて移住して創業して事業を立ててきたお話を少しさせていただきたいと思います。


自分は2016年の5月にこの川根本町に移住して来ました。簡単にその辺りからざっくりいくと、めんぱ修行の後に手持ちの資金などがあるはずもなく、ですので銀行から融資を受けて古い住居兼店舗を買って、木工所を建てて、少ない資金繰りの中からちょっとづつ店舗の改装したり、途中漆かきの修行もしてみたり、ああでもねえこうでもねえとやって参りました。気づけば子供を授かり、子育てもできる環境となっています。

元々は学生時代は京都、流れ着いた大阪、30歳を機会に東京、横浜と渡り歩いて来ました。36くらいで静岡に戻って来た時に、その後の人生をどうすべきか。ちょっと悩みました。そして出した答えが先祖の元へ帰って行くという人生設計だったのです。どういうことかというと、自分の母方は井川の出身であり静岡県最北のちょっと独特な文化に憧れたというところでしょうか?

静岡市の用宗というところが自分の生まれ育った土地であり、とても温暖でよく言えばカリフォルニア、悪く言えばデトロイト(笑)最近は用宗がなぜかオシャレに再開発されてカリフォルニア感がすごいですが、自分の子供の頃はデトロイト(笑)

それが同じ静岡市なのに最北端の井川まで行くと気候も違えば言葉も違う。井川ってよく言えばジュネーブ、悪く言えばカトマンズみたいなものです。いや違うかw

まあ、とにかく沿岸の温暖な気候とは違い、寒く厳しい山の生活という両極端な世界観に自分は憧れていたわけです。欲を言えばこのどちらも今後の人生で行ったり来たりするそういう生活が理想だなと漠然とながら考え、井川メンパというメソッドを武器にそういう人生を歩んでみたいなと思ったのが始まりといえば始まりなのです。


気づけば井川までは辿り着けなかったものの、大井川の上流部に住むことから始まったのも2016年ですね。楽しくもあり、諸々大変だったこともありますが、今こうして大井川めんぱと仕切り直して歩み出したというのもあり、なぜか清々しい気分で2022を迎えていけそうな気がするのです。もうすぐ年末ですねえ、、、、塗り直し修理は大晦日までしか受け付けませんのでそこんとこヨロシクです。




でもって、自分がこの移住とかめんぱ事業を始めてから感じた諸々のことがたくさんあります。

田舎移住についての色々

会社移住という話

日本にはいろんな地方と過疎地がありますが、この奥大井も例外ではなく静岡県下でもトップな部類の人口減少地域であります。自分が移住してきた2016年では確か人口が8000人切るくらいだったはずが、たった5年で7000人切って今や6000人台かな。

2021/10 川根本町の人口

多分来年には5000人台に突入するでしょう。それだけ加速している人口減少が始まって久しいわけですね。


ただ悪い感覚だけでも無いのです。自分が移住してきた5年前とは明らかに状況が違って来ている光明が見えて来た出したような感覚を前田は感じています。


若い移住者が増えた。というかだいぶ若い20代が格段に増えていると感じるのです。実際統計はどうなっているんでしょうね。気になるところですが。大井屋に就職してやってきた石関さんも23歳。こんな山奥に若い子一人で移住させてもうたらかわいそうやあなと思っていましたが、意外にも大勢の同世代の仲間が移住して来ており彼女なりにあっという間に仲間が出来て日々仕事と生活を充分楽しんでいる様子です。


面白いことに仕事がきっかけで移住してくる子が多いように見えます。コロナ以前に世の中の流れがだいぶ変わり始めている証拠だろうとも思います。


実は自分もサラリーマン時代には、都会で住む皆さんと同じようにローンを組んで新築のマンションなんかを買ってみて普通というかオーソドックスな生活を営んでいた時もあるのですが、なんだかそういう生活は自分には全くもって合わなかったのを覚えています。


なぜみんな新しいものばかり欲しがるのか。手直ししてあげればめんぱと同じように家とか地域とかも充分機能的に使い続けられるのに、社会も、物質も全て新しいものに作り替えようとすることで何か前進してきた雰囲気がするのです。

自分は井川めんぱに出会って一番面白いと思ったのは、塗り直してずっと何回も使っていくことができるそういうお弁当箱だったところなんですね。実のところをいえば。自分所のめんぱを買ってもらうというのは将来の修理を担保することだとも言えます。売ったはいいけど、自分が死んだ後は俺知らんで!ということであるならばそれは未来に繋がっているとは言えないのだろうと思うのです。

井川めんぱ海野さんが亡くなられて、それを修理することが叶わなく困った人がこれからも大勢出てくることでしょう。でもそれはご安心ください。大井屋が請おって未来へ繋ぎます。大井屋がなくなろうとも、めんぱをちゃんとやれる職人がおりさえすれば皆さんのお手元のメンパは未来へと繋がっていきます。大井屋の真意はまさにそこです。ですから名前を変えたとてやることは何も変わらないし、むしろめんぱ職人をもっと増やして世に貢献させて行くには今このタイミングだったように感じています。


さて自分の話は置いといて、これから川根に移住したい、地方に移住したい、都会での生き方にはもう未練がないぜっていう人にお伝えしたい所なのですが、自分が思うに川根はクラフトやアーティスト活動するにはもってこいの立地とバックアップと人材集合が起きる場所だと考えております。

自分が工房を立ち上げた時にネット社会とはいえ、やはり諸々の小道具やメンテナンス材料などを買い出しに出て行くことがたくさんありました。市街地まで実は40分程度もあれば出られる川根は結構便利なポジショニングです。また、工房を構えようとした時に自分は直撃で川根本町の役場に出向き、当時の鈴木町長が後押ししてくれたことによって工房を短期間に構えることが出来ました。何事も指喰わ得て待つのではなく、自分で押し込んでみることが大事だと思います。

民藝でいけば、木工も、竹工芸も、編み物、石工とかなんでもやりようがあると思うのです。そういうのを自分で作り出して生活諸共に生業にしていく生き方はむしろローコスト、場合によってはハイリターンにもなり得ます。都会でしんどいから移住するのではなく、山間地なら自分の理想をより早く具現化できるここはフロンティアなんだと思う思考ロジックが大切かと思うのです。


お試し移住でもいいでしょう。いきなり本気移住でもいいでしょう。安く住める公共住宅も実は結構ある。古民家買うにしても、移住してから諸々見て周りチャンスが到来したら物件買って自分で直したり、仲間増やして手伝ってもらうっていうのも田舎の生き様だと思うのですよね。


ぜひこれをきっかけに奥大井へ関心を向けてくれる若者が一人でも増えますことを願います。


ではまた明日!


2022井川メンパの塗り直し修理についてのお知らせ
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079035212.html

大井川めんぱの機能性、精神性、霊性
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079132944.html

大井屋漆ギャラリーくるみんじょオープンのお知らせ
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079126949.html

井川メンパ大井屋から大井川めんぱ大井屋へ名称変更の話
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079105560.html
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079114116.html

大井川めんぱ大井屋の覚悟について
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079043953.html
大井川めんぱで未来を切り開く為にはの話
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079070518.html

大井屋の屋号について
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079129335.html

井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1076721216.html

伝承は本当だったメンパ飯の美味しい食べ方
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1079034901.html

メンパ修理の持ち込み先(島田市と静岡市)
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1078909057.html

メンパやまげわっぱの修理
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1077028710.html

井川メンパ大井屋価格表
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1078892706.html

井川メンパの通販 
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1076988181.html

井川メンパのお手入れの仕方
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1077332205.html

大井屋までの道順
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1077358319.html

井川メンパ大井屋の提携店
https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1078329902.html

Twitterアカウント maedapassion
インスタアカウント 01234chandesu
Facebookアカウント https://www.facebook.com/maedapassion

日々情報発信しております。どうぞお気軽にフォローしてください諸々のお問い合せは井川メンパ大井屋まで

静岡県榛原郡川根本町千頭1225-8
050-5894-2806
maedapassion@gmail.com

営業時間 9;00-17;00
定休日 水曜 木曜

井川メンパの塗り直しは1月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から。静岡県中部の方は店舗までお持ち込みください。

ただし大井屋で販売した大井屋印の井川メンパは年中いつでも修理対応いたします。また全国どこからでも郵送にて送ってください。優先して対応しております。

メンパは塗り直しだけではなくリメイクしてタッパー型のおかずメンパにすることができます。お弁当として引退したメンパはタッパーメンパにリメイクしてぜひご家庭にて使い続けてください。

ネーム入れのサービスも開始しました。詳しくは大井屋ブログを参照ください
にほんブログ村 ハンドメイドブログ 手作り民芸品へ
にほんブログ村


工芸ランキング