井川メンパの番人 大井川めんぱ大井屋 

井川メンパとは檜の曲げ物に漆を塗った野性味溢れる昔ながらのお弁当箱として主に山仕事をされる方々に愛用されてきた赤石山脈周辺文化圏で受け継がれてきた特殊な民藝品です。2016年9月より静岡県榛原郡川根本町千頭に移住し井川メンパの制作から販売まで一貫して行う井川メンパ大井屋を営んでいましたが、2021年11月より大井川めんぱ大井屋として名称変更し再活動を始めた店主の前田佳則と申します。大井川めんぱは漆にシンナーや油などの混ぜものをしない塗りで、ボンドも使わない桜カバだけで縫い止めた昔ながらの井川メンパそのものを追求し制作しています。これらメンパは修理しながら長く使える機能的な漆塗り曲げわっぱです。赤石山脈周辺に脈々と受け継がれた山人の為の究極に考え抜かれた先人の知恵の塊とも言える漆塗り曲げわっぱであります。ぜひ皆さんの人生のお供にこの民藝品をお加えいただけることを願っております。大井川鐵道が千頭まで復旧する為に全てを賭けて頑張っていきますの大井屋でございます。よろしくどうぞ ®️登録商標第6540431号 大井川めんぱ 大井屋 https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1080733506.html 大井川鐵道全線復旧を支援する署名運動が始まりました。ぜひご協力ください 

すでに大井川めんぱをご利用されている方もこれから利用を検討されている方も、その造りの良さやお弁当ライフの心地良さが少しでも伝われば幸いです。2016年9月より大井川鉄道終着駅川根本町千頭にて独立開業した井川メンパ大井屋から2021年11月大井川めんぱ大井屋と名称変更しました。漆塗りの曲げわっぱとして最高峰を目指し日々精進して参ります。井川メンパの塗り直しは毎年1月に行います。国産まげわっぱの漆塗り修理始めました。現在在庫は全て売り切れており半年から一年待ちとなります。ご迷惑をおかけしておりますが何卒よろしくどうぞ https://www.facebook.com/ikawamenpa/ https://ikawamenpa.business.site/

2020年03月

やんばいでございます。井川メンパの大井屋でございます。こんにちわ!

さて本日は雨だしお客様はあまりこないだろうなーと思いながら作業前にブログ更新しておこうかなということなのですが、何かこう?となりまして、最近もっぱら世の中のコロナ騒動というものについて自分も労力をさいているわけであるからこういことは記録としても残しておく必要があるなと思いメンパ屋のおいらがどんなことを今考えているかという軸でコロナ対策をこうしているというのをお伝えしておきます。


















関係ないけど昨日朝起きるとパンクしてました。コロナどころではありませんでした(笑)

本当に予想できないいろんなことが起きますが、コロナショックもまさにここまでくるとはというのが現在の3月末の状況です。世界中がロックダウンを始め、経済活動がストップする中で株式は乱高下。基本下げているのは当たり前ですが、それを政府は税金を原資に買い支えるような馬鹿なことをやっているのです。これでは資本家はローリスク・ハイリターンじゃないですか。金持ちはずっと金持ち。そんな世の中であっていいはずがありません。と、今日はそんな話じゃなかったな。コロナでしたね。

えっとメンパ屋の前田はもう二月頭くらいからいろんな情報収集をしながらも右往左往しつつ一人ロックダウンしてみたり、なんとかしたいなと実はいろんな対策をしてみました。まわりはまだ何もやっていませんでしたので、マスクしてから入店してねとか張り紙してたら集落の人から笑われたりもしました。いいんです。笑われたってと思いながらやってました。

3月の遠鉄百貨店の参加も見送りました。自主規制でした。でもそう判断しといてやっぱり良かったなと思っています。だって私の住んでいる川根本町は静岡県の中でも断トツの高齢化率首位打者であり、老人社会なのですから危機意識はあって然るべきだと思っていました。ここで大勢人がいなくなってしまうことになったら二十年後の我々の社会はもっと悲惨になると思ったからです。
こういう社会ではまた何かしら自分がウィルスを持ち込んだと思われてしまうと、とても今後やりにくくなります。村社会というのは集団監視という意味では防御力が高いけれど排除力もまた絶大なものです。であれば、やっぱりここは郷に入れば郷に不利益なことは避ける。というのは山村で生きる処世術だと思います。移住者でも若い人はお構いなしにパーティーを開いている人もいるけれど、今からでも遅くないのでしばらく自粛しておくことをおすすめします。本当に困った時に周りが助けてくれなくなってしまうよね。ぜひ山の民は山の民思考で行ってくださいね。同調圧力ではなく自己防衛の観点でそう思っています。


















さて一人ロックダウン中のメンパ屋は制作に没頭しているか?と見せかけて店舗の改装なんかをずっとやってます。

















壁に板貼ったり


















SL眺めたり。まあ、これはいつもか。。。

感染リスクを避けるために接客以外なるべき人と接触を避けているのです。木工所に行くといろんな人が話しかけてきてくれるんですが、まあみんなまだ意識が低いよね。じゃあ自宅の方に居ようかね。って実はなってるんですね。

コロナ関連で集めた情報の中でなんとなく突破点のようなものを感じたので書いておきます。


コロナで最重要対策は飛沫感染対策だと思います。

理由はいくつかあるのですが、コロナの感染スピードを国別に照会してくれている情報がいくつかありますが世界中に広がりつつあるコロナで明らかに感染拡大のスピード感が違う現象が起きています。日本は奇跡としか言えませんが、拡大しつつもまだ緩やかな状態にあります。特になんら対策をしていないにもかかわらずなので奇跡だなと思ってます。

なぜ国によって感染者数の増加の速度が違うのか?

医療体制が強い?弱い?コロナの変種が産まれ致死率や感染率が違う?予防接種の種類の違い?いろんな噂が飛び交っていますが私が感じたのは国によっての違いというより言語圏での感染者数の違いという統計にピンときました。

欧州では国という区分はありますが、イタリアでもドイツ語圏があったりとか英語圏があったりとかかなり地方で言葉が変わります。そういうところの統計を見るとコロナ感染率はかなり言語圏によって左右されているという情報あります。
今現在スペインとイタリアが特に状況が深刻です。ドイツやフランスなんかはまだ持ちこたえてる。英語圏もけっこうやばくなりつつあるようです。アジアも中国は相変わらず大変ですが韓国も日本もなんとか持ちこたえてる感じがあります。

これ多分言葉とか発音とか方言とかの違いで飛沫感染リスクが違うんだと思います。大げさに言えば方言でもかなり違うのだと思う。日本の中でも感染率が地方でだいぶ違います。感染数ではなく感染率が大事だと思う。日本の場合は検査数が少なすぎて統計で数字がはっきり出てないけれどもう自分の感覚で言うしか無いんですが、江戸より大阪方面の方が確実に感染疑いのありそうな友人達の症例を見ます。関西弁というのはやはり勢いで喋るところがありますし、口数がやたらと多くなります。20代を関西で過ごした私が言ってます。やたらと口数が多く声の強弱が強く、せやねんせやねんとか無駄な相槌も多いのです。口数で今日のごきげんをはかるところ関西人にはあるあるだと思います。

そこ行くとですね、静岡のこういう山奥は正直何言ってるかわかんないのんびり口調なところあります。だから俺思うんですが、逃げるなら東北だな。もっと何言ってるかわかんないくらい発音がはっきりしないから。とさらりと東北をディスるメンパ屋です。


この予想が正しいかどうかは置いときましょう。とにかく改めて言いたいのはマスクをなんとかして欲しいということ。政府は作る作る作らせてると言ってますが、どこにもマスクは売ってない。トイレットペーパーは出回ってきているのに。これはどういう意図があるとかはまた置いといてとにかくマスクをみんなでなんとかしたいですね

















昨日青部の農家民宿居酒屋茶風花さんが作っている手作りマスクをゲットしました。

普段は宿なんですが、時に焼き鳥屋さんにも変身することがあります。メンパ屋に買いに来たらぜひここに泊まるべし。


ドラえもんの法力が効くかどうかわからんのですが、手作りマスクとてもフィット感がありこれは飛沫を抑えてる感が半端ないです。ぜひ買うもよし、なければ作ろうてづくりますく!で乗り切りましょう。できれば家庭内でも常にマスクをするのがよろしいかと思います。もう日本中マスク無しでは生活しないでという方向に持って行きたい。テレビの芸能人は全員マスク!ニュースもマスク!何なら手話です。手話で皆会話!!

けっこう真面目に言いますが、来年のオリンピックはもう辞めにしてシュワリンピックにしましょう。世界中で手話を共通言語にして今後コロナ以降も起きるであろう感染症を抑えるには手話を世界言語にする他無いと思います。一年ロックダウンしている間に世界で手話が共通言語になるようにみんなで勉強すればいい。メンパの修行も全部手話!


皆さんにはぜ飛沫感染を抑えて生き残っていただき、末永くメンパを買っていっていただく事がメンパの大井屋の本願でございます。大井屋でも近日手作りマスク販売する予定ではおります。皆で賢く立ち回り生きていきましょう。よろしくどうぞー

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おはようございます。春ももうすぐそこでちょっとだけ心がワクワクしてきています。井川メンパ大井屋店主の前田でございます。今日もどうぞよろしくお願いします

さて最近はもっぱら木工所に籠もる日々となっています。メンパ制作と平行しながらカトラリーの制作や作業場の回収に使う材料を製材してもいたりします。なんならもう家とか建てれそうな気がしてきました。将来は山の上の見晴らしの良いところに自分で小屋建ててメンパ爺さんやりたいと思っております。優しい婆さんいつでも待ってます。

















うるしかきの出会いから始まった漆木の塗り箸造り


















カトラリーを制作し始めたら、そういえば漆の木にうるしを塗った漆オンうるし箸を昔作ってたのを思い出してストックしてあった木を切り出してきました。カトラリーの色味もバリエーションがいきなり豊富になりそうです。摺り漆の茶色。ベンガラ漆の赤。うるしの木は黄色。いろんな色味が楽しめる大井屋の檜の漆器カトラリー。5月の連休に間に合うか???乞うご期待であります。



















メンパ造りに没頭しているとどうしても作り出しているものが本来弁当箱だということに気持ちの理解が追いついていなかいような気がしています。

どういうことかというと、本来弁当箱としての機能を極限まで追求して余った余力で加飾や装飾なんかに手を出すべきなのですが、どうしてもこうひとりよがりになっているというか綺麗に見せたいとか、もっと喜んでもらいたいとかそういうところへ意識が飛んでいる気がします。それはそれで必要な要素ではあるのですが、自分の本来思う優先順位とはちょっと違うような気が自戒を含めて感じているのです。


井川メンパが山仕事のお弁当箱として産まれ出てきた事を否定しているような気にさえなってきてしまいます。

それはたぶん自分が実際に山仕事してないからなんだろうと思っています。山で仕事しないとそこでの苦労や考え方がフィードバック出来ていない。川での遊びがなければそこで感じた感性を還元出来ていない。野良仕事の後のお茶の景色の中に自分が居るイメージが無いのでメンパの心象風景が自ずとこじんまりしてくる。表現を替えてみるとそういう事のような気がします。

民藝というのはそもそもその作り出す人間の全てが表象に現れてくる気がしています。その練度が高まれば高まるほどに尚更滲み出てくるイデオロギーがあるはずだと思うのです。前回も書いたのですが、であるがゆえに嘘はつけない。隠す必要は無いし隠しようも無いという事実に行き当たるのです。

嘘はつかないで生きて行けるという話


インスタグラムなどでたくさんの井川メンパで盛りつけた弁当箱を挙げてくれている皆さんを最近は良く観察するようにしています。もちろんソレ以外の曲げわっぱマニアの人達の弁当造りを見ています。どのようにメンパが使われているか?どういう感性の人々に求められているか?寄っていくのではなく、先回りして求められるであろう感性を提供して行くにはやはり観察が必要だと思います。
小学生に作るお弁当と高校生では内容と見た目はぜんぜん違うし、肉体労働者とオフィスワークでは尚違ってくる。全てのシチュエーションにフォーカスすることは不可能ですが、全てのシチュエーションにおいて共通して必要とされている弁当箱の真理のようなものは必ず存在しているとは思うのです。話が難しい!!つまり最強のお弁当箱はなんなのか!!!ここです。ここが大事です!!


そういうことを日々のっぺりとメンパを見透かして考えるのではなく、ずっぽりとメンパを自分で使っていくことが大事だなと思うのです。娘がもう少し大きくなったらお弁当を毎日作る必要が出たら私の井川メンパはもっと変わるのかもしれません。


ということで今後も井川メンパ大井屋をご贔屓いただければこれ幸いでございます。それよりも早く小判型セットとかお櫃とかの商品紹介書けや!と想っているそこのあなた。正解です。もう少しお待ちください。ごめんなさい


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やんばいでございます。水曜日定休な井川メンパ大井屋店主の前田です。こんにちわ!

さて今日は久しぶりのお休みということでシモまで買い出しに行ってきました。シモというのは我々山奥ピーポーの隠語のようなもので都会とか外界という意味に近い、シモなのです。つまり静岡の市街地に行って来たよということです。覚えておいて損はない!!んなこたーない。

刃物の砥屋さんへ。ホームセンターへ。実家へ。漆掻き師匠の高橋さんのところへ。ラーメン屋へ。焼津さかなセンターへ。そしてまたホームセンターへ。駆け足で行ってきました。突っ込みどころが多い行程ではありますが、まあ仕事やプライベートに必要な物を一切まとめて買ってくるわけです。そしてシモの世界の閑散具合よ。。。コロナの影響は確実ですね。国道がスイスイスーイでした。午後はそれなりに混んでいましたけど、やっぱりいつもとはだいぶ違うですねえ。



















ひのきのカトラリー

話は変わりますが、最近大井屋はメンパ屋の枠からちょっと飛び出しつつあります。もちろんメンパを探求していく姿勢は変わりませんが、今後いろんな展開を考えた時に自分たちの持てる環境と技術と熱意を最大限活かしてみたいと思った時、自然と大井川流域の人間と材料でクラフトを漆でもって考えて具現化するという流れになってきました。


















ひのきはカトラリーに一般的に用いられる広葉樹とは性質がかなり違います。
肌身も白く柔らかいのであまり小さいものには通常使われないのですが、メンパのやり方の延長で考えればあら不思議。うるしと相性がいいわけです。というかたぶんうるしあってこその檜のカトラリーになってしまうので、共生が前提になる檜カトラリーはあまりどこもやらないというかやれないんだろうなと思いました。

檜に漆のカトラリーはとにかくやたらと軽い。ふわふわです。携帯するには持ってこい。つまり海山川で活躍するメンパにはとても親和性が高い。セットでやはり作るべきなんです。

木地制作はウズマキ工舎のすずきのけんちゃんが担当し、塗りや販売などは大井屋が担当するコラボ企画となっています。けんちゃんは川根本町の地域おこし協力隊員でもあります。まあまあの凸凹コンビではありますが、千寿(せんず)漆器としてブランディングしていこうと思っています。まだまだ試作段階ですが、定番のカトラリーを今後作って行きます。たぶん夏には店頭に並べられるかと思います。

大井屋もここ一年くらいうるしおん漆の塗箸とカッティングボードなどを販売出来ていないのでこの機に乗じていっちょやる気を出しています。ガシガシ面白い物を作って、ぜひメンパと共にいやソレ以上に川根でクラフトを主軸に生きてやる。そういう姿勢を若い人らにも見せて行きたいと思っておるのです。


















逐一ブログにて新商品をまた照会できるように世の中であまり流行らない物を敢えて作っていくというニッチな大井屋でいたいと思っています。マグカップも欲しいし、サラダボウルも欲しいし、もう漆で全部の食器作りたいしというのはほぼ自分の為の願望でもあったりします。


今後もどうぞ井川メンパ大井屋の活動をご贔屓に!

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やんばいでございます。井川メンパ大井屋店主の前田です。こんにちわ!

















一昨日ぶっ飛んど木工所の屋根は昨日突貫工事で応急処置をしました。お隣の工房で作業している川根本町地域おこし協力隊員の鈴木さんにまさにご協力いただき早期の復旧を遂げました。災害対応に迅速な井川メンパ大井屋。いや、むしろ普段からメンテしておけということなんですが(涙)


それにしてもここ川根本町に来て丸4年が経過しようとしていますが、だんだんこういうアクシデントにも動じない感性になってきました。なんでも自分でやる。やってみる。という大原則で動いていると屋根が飛んでいこうが嫁さんの機嫌が悪かろうがさして気にしなくなったりするものですね。


















実はこの木工所は川根本町からお借りしているので私の所有物ではないのですが、そろそろ建て替えたいと言ってくれているところ作業が止まったりするのが嫌だったので先送りしていました。ただこんな感じになってくると建てなおすなり補強するなりもしくはリロケーションするなり考えねばならないなあと思っています。メンパ屋はそれほど木工所はメインで使うことは無いので猫に小判なのですが、どうも自分は漆芸より木工が好きなようなのでできればここはこだわったものに変えて行きたいなと思っています。そういうことを考えているとまげわっぱに限らず木工に志しのある若者が増えてくれば作業所をシェアすることもあってもいいかと思いますし、そこから産まれるカトラリーや器を大井川産の漆器としてブランディングしていくことが面白いなと思っており、最近そういうことに取り組み始めました。



















屋根の補修を手伝ってくれた鈴木さんが提供してくれているスプーン、フォーク、カップや箸を漆塗って商品化を考えています。

















それにあわせて私もお皿のメンパを作ってみたりしています。何もメンパのように機動性を持たせるまげわっぱという概念に囚われる必要は無い気がしています。例えばこういう家庭で使う前提なら底板は通常よりもだいぶ厚く作ることをします。なぜなら軽さよりもこの場合は保温力、遠赤防御力を重視したい。そういう曲りメンパも作り始めました。今年は一気にいろんな商品を興していきたいと思っています。メンパ屋の枠から飛び出し始めそうです。


IMG_4838
















コロナ感染症の拡大で事業を縮小せざるを得ないパターンもあるかもしれませんが、大井屋はむしろこの反動を使ってポジティブに前進をしてみたいと決意しました。世の中が大きく変わるなら、日本人の感性も大量生産大量消費からシフトしはじめてより共鳴を得た制作物が連綿と受け継がれながら民具として家族に共有される。そんな昔は当たり前だった生活スタイルに回帰していけるようにそこを穿った行動をしていきたいと想っているのです。未来をクリエイトしたい若者よ集え給え。

私は常々座右の銘ではないですが心に決めた想いがあります。

嘘をつかないで生きるということが人生で一番大事だということです

自分に嘘をつかないとかかっこいいことではないです。普通に他人様に対して嘘偽りでもって生きないということです。単純ですが、これが出来ない大人がほとんどなのです。自分に都合良く生きているのはとても楽なのです。このくらいのごまかしはいいだろう。とかそういうのは排除して生きるべきです。なぜなら徹底して嘘を排除してしまえばその方が実はよっぽど心は安定してくるからです。面白話を虚飾するとかそういうことはいくらでもやるのですが、商売や生きることに関しては事実で勝負するのが大井屋スタイルでございます。それも自分の心の為にまずはそうすべきだと思うからです。嘘をつきたくないなと思ったら新しい商品を作れ。今回はそういう行動になってきているようです。おころな様のおかげでございます


やりたいことはたくさんあってもそれをどうやってフォーカスして商品化していくか?面白い取り組みが千頭で始まろうとしています。メンパのみならずどうぞそういう動きを応援していただけたら幸いです。今後も井川メンパ大井屋をご贔屓に!

二極化する過疎地について

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やんばいでございます。井川メンパ大井屋店主の前田でございます。こんにちわ!

本日は3連休初日ということですが、忙しさにおいてはあまり連休というのは当店は関係無く全国津々浦々からお客さんは不定期にやってきてくれます。おかげでなかなか気が抜けないですが、不在でもだいたい近くの木工所もしくは町内のどこかにいるとは思いますので、店舗前で立て札に携帯の番号が書いてあります。見当たらなければそちらへお電話ください。


さて大井屋は自前の木工所が桑野山という集落の貯木場内にあります。こちら

木を切ったり削ったりはこちらでやっております。店舗の方は販売と漆塗りなんかをやっておりますので、けっこう不在な時も多いです。不在時はだいたいここに居ますので、電話くれたら五分ほどでお見せに戻ります。よろしくどうぞ

IMG_4843






















































こんな感じで木を切ったり削ったりしているだけではあるんですが、けっこう広くて日当たりも良くて使い勝手がよろしいです。私が井川ではなく千頭で開業できたのもこの木工所のおかげもあります。

そんな木工所ですが、ここ数日この近辺ものすごい突風でした。毎年春になると突風が吹くんです。遠州のからっ風という奴でしょうか。ついに作業所の屋根のトタンがぶっ飛びました。今日の夕方に気づいたのでとりあえず明日は急遽補修しなければなりません。ご来店される方は携帯へお電話ください。屋根から降りていくので戻るのちょっと時間が要りそうでは有りますが戻ってきますので



















最近は改めて手作業の意味というのを深く考えています。
機械がどんどん進歩して便利になった分、また情報が簡単に手に入る用になった分全国各地のまげわっぱはだいたいどれも似たような感じになってきているように思ったからです。
塗りの違いはあれど、木地という部分においてはどこのまげわっぱもオリジナリティの前に効率よく生産性が選択されるという原則に則ってやはり似たような風合いにならざるを得ないのかもしれません。

そこいくと井川メンパはまだかなり踏ん張りの効いた郷土工芸品として存在できていると思います。錆漆の使い方、樺の縫い方、木地の切り方。このあたりをどう古代のニュアンスを残していくか?時代によって左右される方法論の取捨選択ではなく真理に近い造形美というものはどこにあるのか?

その辺りを今一度深く考えてみることにしています。大事なことを時代を越えて残すには論理に頼らず真理でもって後世の職人を説得する。というかっこいい事を考えてみたりしています。



そんなわけでめんぱ造りを見学されたい方は事前にご相談ください。大井屋はなんでも見せちゃうスタイルでやっています。隠し事は出来ないタイプです。若い人がどんどん工藝へ回帰することを願っています。

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やんばいでございます。井川メンパ大井屋店主の前田でございます。

さて時々未だに定休日なのに遠くから直撃でご来店される方がいらっしゃる。もちろん別に外から眺めていただくのも構わないのですが、家の中に居るとどうしても出てしまう(笑)まあ、出ますよね。普通。
なかなか休んだ気になれないのでもう一度改めて宣言させていただきます。井川メンパ大井屋の定休日は水曜日です。お間違えないようにお願いたします。稀にですが不定休でお休みをいただくこともありますが、ほとんどの場合事前に当ブログもしくはSNSなどで告知させていただいております。


遠く東京や名古屋から来られて休みだったでは申し訳ないのでぜひ遠方の方はお電話で確認してからご来店くださるのが間違いありません。もしくはメールにてお伝え下さい。

IMG_4843





































木工所では粛々と春メンパの木地造りが進行しています。また今後一年分くらいの木地の製材も併せてやっていますのでなかなかに忙しい春となっております。工房見学されたい方はこちらも事前にメールや電話にて問い合わせください。

今日も皆様にとって素敵なメンパ日和になることをお祈りしております。
メンパとの生活

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やんばいでございます。静岡県榛原郡川根本町千頭にございます井川メンパ大井屋店主の前田です。こんにちわ!

日に日に暖かくなりますが、まだまだこちらは朝晩の冷え込みは厳しいものがあります。ただ自然はやはり素直ですね。桜の木も薄ピンクに見えるのは蕾が膨らみ始めた証拠です。来週再来週くらいはもう春ですね。楽しみですし皆さんも桜を見に山奥まで遊びに来てみませんか?実は大井川筋は桜の名所がたくさんあります。どうぞ春の大井川沿線を楽しんでください。そしてついでにメンパも見てってください

















お見せの前に新しい看板を出してみました。めんぱと言っても静岡県の方々には認知がありますが、他県の方はまず知らない。ということで観光客の人にひと目でわかるような看板にしました。本うるしとしたのは漆器というのはカシューのような漆ではない物も漆器になりますし、ウレタン塗装でも合成漆器と言って良かったりするので、うちはモノホンでっせ!という意味で本うるし塗り。とさせていただきました。
全国的な認知で行くとまげわっぱの方が圧倒的にイメージを勝ち取っているので、そこは否めない事実。まずは曲げわっぱであることに間違いはなし。ということなのです。いいんです。入店さえしてしまえば後は前田メンパワールドに引き込まれるだけなので。

一週間ぶりの定休日ということなので問い合わせがたくさん来ていた小判型の商品説明をご案内します。よろしくどうぞ

まずは小判型の基本スペックです

深さはすべて共通 4・5センチ



IMG_4802
















小判型S 八千円 税別
縦15センチ 横10.5

小学生くらいの子供に適しているサイズだと思います。ちなみに小判型は全般的に子供と女性向けです。それは手のひらの大きさです。丸型は手のひらが大きくないと底を持ちにくいです。小判型は小さな手のひらでも収まりが良い。使う人の手のひらの大きさはけっこう大事なのです。
IMG_4803
















大井屋の井川メンパは厳選した良質な天然漆を自分で天日黒目したものだけを使って塗っています。普通の漆ではないので数年経った時のこの色の透け具合はたまりません。という溜塗りというものになります。
IMG_4808
















小判型M(女物) 九千円 税別
たて16センチ 横11・5センチ

昔から女性用として謳われてきたサイズです。ちょうどな手ごろ感です。
こぶりなおにぎり2個とおかずを少々でちょうどなパターンですかね。
女性が迷ったらまずはMサイズだと思います。大きいのにも小さいのにも対応できますね。


IMG_4811
















小判型Lサイズ 男物 一万円税別
たて17センチ 横12,5センチ

小判型の不動の一番人気モデルです。おとこものと呼ばれる日本人一般男性向けのサイズです。
確かにがっつりとした重厚感もこの大きさくらいからはあります。おかずを多めに採りたい女性もこのサイズはありかもしれません。

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天日に透かすと綺麗ですね。メンパはぜひお天道様の真下で使って欲しいです。食べて美味しい見て楽しい

IMG_4818


















小判型LLサイズ 1万1千円税別

縦18センチ 横13.5センチ

ガッツリ系男子向けです。このクラスは木も丸型並に厚いので耐久度も抜群です。
山や川のアウトドア向けですね。耐久度は俄然丸ですが、この小判型LLサイズくらいになると丸のMサイズと同じくらい曲げ木は厚く作っています。


IMG_4821




































お値段もそれなりにしますが、愛しさと切なさと心強さを併せ持っているような気がします。90年代を知っている世代ならこの小判型LLの良さがわかるはずです。

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小判型ドカベン 12000円税別

縦18 横13.5 深さ5,4センチ
小判型LLと同じ大きさですが深さが丸型と同じ5,4センチです

小判型最重量クラスです。スポーツや現場系のお仕事な人向けです。
まさにドカンで食らうような気持ちで挑みたくなるメンパです。米米米とまずは米たくさん食べたい人向けです。
IMG_4824
















強度も丸型におとらないくらい丈夫に出来ていると思います。木こりはこれ使う人多いような気がします。


さてこんなラインナップの小判型スタンダートタイプ単品ですが在庫状況をお伝えします。

3月18日現在
小判型S 4組
   M 16組
   L 11組 
   LL18組
ドカベン 7組

小判型Lセット 7組

Sサイズはちょっと品薄ですね。次回は小判型の組(セット)商品と大井屋しか作っていない小判型浅口シリーズのご紹介をいたします。どうぞよろしくお願いします

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定休日 水曜

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やんばいでございます。東京駅から車で三時間。電車でも三時間半。近いのか?遠いのか?それは気持ちの持ちようです。こんにちわ!井川メンパ千頭本店大井屋店主の前田です。

いや~日中はなんだかぽかぽか陽気な感じになってきました。毎朝起きると外から鳥のさえずりが聞こえて来ます。そろそろツバメの季節ですが、今年は我が家にやってくるのか?毎年家の前を行ったり来たりするツバメですが巣をかけることは未だ無いです。何度か窓から家に入って来たこともあるんですが、まあ今年あたりはきっと来てくれるでしょう。ちなみに大井屋の外観はこんな感じです。わかりやすい看板は相変わらず出していないですからお見逃しないようにご注意ください


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それと前回丸型組子の紹介記事を書いたのですが在庫状況を書き忘れました。

とても言いにくいのですが、、、、ほとんど、、、売り切れ、、、、、てしまいました。すでに

冬メンパではけっこうたくさんセット商品用意していたのですが、先日通販を開始しましたところどんどんセット商品から売れていき丸型の組子商品で現在在庫があるのは本日付けで

丸型LLセット一組だけでございます。ごめんなさい。
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紹介しといて在庫ほとんどねえのかよ!ということになっちゃいましてお詫びと言ってはなんなのですが、本日はちょっと面白空想メンパ歴史のお時間でございます。
メンパは丸型のセットはまた春メンパか夏メンパにご用意できると思います。それまで井川メンパ大井屋ブログでのいろんな面白話で楽しんでいてください。とりあえず前回こんな記事を書きましたね。

木地から読み解く井川メンパのルーツ

山狗様が暗示する大井川と山の関係について

メンパの語源について

今回の記事を読む前にまずこのあたりを読んでおいていただくとメンパとかわっぱとか曲げ物のルーツについて興味が湧くと思います。よろしくどうぞ



さて本題に入りたいと思います。今回はちょっとスケールがデカイ話だ。『曲げわっぱの古代ルーツについて』でございます。

井川メンパのルーツを考える時、当然のようにそのもっと以前の話から考えを及ぼしていかないと行けないと常々思っていたのです。つまりいったいいつどんなタイミングで曲げ物の技術が日本にどういった経路でもたらされたか?というあたりの話を今日はしてみたいと思います。

そもそも曲げわっぱとか曲りメンパというのは曲物(まげもの)という総称で呼ばれるわけですが、この曲物とはどんなものか?わかりやすい本があります。
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曲物(まげもの) (ものと人間の文化史)
岩井 宏実
法政大学出版局
1994-04T


この本を以前買い求めなんとなく読んでいて気になったのが、曲げわっぱというのは考古学的にはどうも平安時代にある日突然日本にやって来たというような表現があります。縄文から平安初期にかけての遺跡からはほとんど曲げわっぱとかそういうものの原型になるものが遺物として出てこないのに、平城京あたりの遺跡から突然出てくると。

そうなんです。ここから推測するとたぶんこのあたりでどこからか入ってきた外来技術になるようです。それも主たる利用先というのが器とかよりむしろ井戸。つまり井筒として利用されていたのが遺跡から出てきている事実があります。

大井屋の屋号について

あまり関係の無い話ですが大井屋の屋号は大井屋。ロゴにも井桁紋を隠し入れているのはもはや偶然の必然のような話ですが、興味がある人は読んでみてね。


その井桁とか井筒を作る技術として当初導入された曲物の技術はこの平安時代あたりに来たというのはなんとなく頭にあったのですが、この本にもそこから先は書かれて居ないわけです。



平安時代のアジア全般と大陸の情勢を見てみるとなんとなく面白いことが見えてきました。
中国本土では唐という王朝が全盛です。日本も遣唐使というのを入れて多くの技術や人の行き来がこの前後に大陸とあったと言われてます。それを頭に入れておいてください。


メンパを掘って行く過程で面白い民族を知りました。それもその名もなんと『メンパ族』



中国とインドとチベットとブータンの国境地帯に引き裂かれるように住んでいる少数部族です

その部族の事を調べていてこんな本と出会いました
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日本語とメンパ語の言語学的類似性から日本語の成り立ちを考察した本です。たいへん面白かったです。良かったのは言葉の類似性のみならず精神性や文化、人間の感性の類似性というのを感覚的にでも紹介していてくれているところでした。

この本の中に面白い記述がありました。メンパ族とはチベット系民族の中でもさらに少数民族であり、木工や竹工に長けているといいます。そしてチベットの歴史を少し。現在のチベット自治区は中国共産党の弾圧であまり内情が知れることが無いのですが、やはり人権侵害甚だしいと聞きます。そしてそれはなぜかといえば中国が以前モンゴルだけではなく、このチベットにも征服というか屈していた時期があります。それがこの平安前後、中国では唐の奥にチベット系王朝の吐蕃というものがあり、一時期かなりの隆盛を極めて中国というか漢民族を支配に近いような状態に持っていったのです。
吐蕃

まあだからといって現在のチベット弾圧につながっているというだけではないけれど、漢民族の根底には深い恨みがあるやなしやでしょうか。そんなこの吐蕃という国に支配者側として隷属していたのがメンパ族なのです。チベット系の王朝ですのでその発生過程で飲み込まれていったんでしょうが、この吐蕃が成長して中国本土に影響を与えるようになり唐を傀儡にして支配を及ぼしていく中で、なんか破滅的な終わり方をして一瞬にして無くなった国とあります。内乱とかで書かれていますけど、まあ暗殺とかいろいろあったんだと思います。兎に角その時に一気に国が滅んで、そこにいたメンパ族はどんな行動を取ったか?
ちなみに当時の吐蕃は仏教国です。日本にも仏教が渡来して間もない頃、遣唐使に紛れてとかなんらかの手段で日本に逃げたのかもしれません。その辺はちょっと推測な話なだけですけど、徐福伝説とか大陸から集団が移住してきたというのは古代ではそんな珍しい話でもなかったのかと思います。


メンパ族とメンパが関係しているのかどうかはまったく根拠はありませんが面白い空想だと思いませんか?木工に長けた民族が流れ流れて辿り着いた極東の山奥でひっそりとその技で食いつないできた。というのはともて面白い空想です。中世以前から荘園社会に属さない山の民にはその存在意義と存在価値があったからこそ生き残れたとも言えます。メンパのルーツを追うなかでこういう話も放って置くより積極的に掘っていってみれば他にも面白いストーリーに出会えるかもしれませんね。


ちなみにチベット自治区は今でも外国人が立ち入ることをかなり制限していますし、近代まで秘境として未だ未開発地域としてあまり情報がありません。今後大井屋はライフワークとしてこのメンパ族やチベット所属とそこにまつわる木工芸に視点を置いて掘っていこうと思っています。

興味のある人、情報お持ちの方はmaedapassion@gmail.comまでご連絡ください。
今後も井川メンパ大井屋の活動をご贔屓いただければ幸いです

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やんばいでございます。大井川鐵道終着駅の千頭から徒歩三分にございます井川メンパ大井屋本店店主の前田でございます。こんにちわ!

さてやろうやろうやらなきゃやらなきゃといいつつ、雨が降らないと作業ばかりしてしまう大井屋でございまして商品紹介を先延ばしにしておりましたが、久方ぶりのまとまった雨。外での作業ができませんので丸型メンパの組子。つまりセット商品のご紹介を致します。

前回までの商品説明はこちら
井川メンパ丸型編
井川メンパ 赤ちゃん用と子供用編

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井川メンパのもともとの形は丸型だったという話は以前当ブログでもご紹介したかと思います。

赤石セット

井川メンパは丸型が源流

そうなんです。修理やっているとわかる。海野だとか望月だとか言う以前の井川メンパはほとんど丸型です。ていうか丸型しか見たことないです今のところ。戦前の話になってきますけど井川メンパというのは農作業や林業でハードに使われることを前提に作られていました。ですので丸型が主力商品だったというのはたぶん間違いないと思っています。小判型のメンパは高度経済成長期に民藝への回帰が興り通勤通学に便利なコンパクトでかさばらない小判型が東北の曲げわっぱから大量に生産されて販売されたのがきっかけだと思います。それを真似して始めたのだと思うのですが、もともと作る技術はあったと思うのです。それは以前も書いた金山で砂金を入れていただろうと思うメンパが井川の家の神棚にあったという話したけどもうどこの記事かわかんないや。

IMG_0338
















先祖が残した神棚にあったメンパ。少しだけまだ砂金が入ってた
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底に漆が塗ってある。金がわかりやすくしたんだと思うのです。だから漆を塗り始めた。のではないか?と想っているという話も確かしたような気が。
IMG_0336
















小判型が必要な時は必要な時に作ってたのは間違いないと思います。
資料館やまびこ

やまびこに行った時取った写真にもでっかい小判型のメンパが写ってますが、確かに井川の小屋に同じものがあって回収してきてあります。稗とか粟とか保存してある小屋にあったので大きな小判型は何かしら穀物をより分けたりするのに便利だったのかな?古代の小判型メンパは私の知る限りとても小さいものか大きすぎるものという気がしています。普段使いは丸がほとんどだったのです。


そんな歴史を持った丸型メンパの機能性と剛性は完成されたモデルとも言えます。だから私は個人的になんですが丸型の方が大好きなのです。ぶっちゃけそれだけの理由で小判型より丸型の方が軒並み1000円安い設定にしているのはここだけのお話でございます。制作の手間はむしろ丸の方がかかっているのだ。
丸型か小判型かどっち?


さて前振りが長くなりましたが丸型セット商品のご紹介をしていきます

現在井川メンパ大井屋で展開しています丸型の組子商品は全部で4タイプとなります

丸型Mセット、丸型Lセット、丸型LLセット、丸型赤石セットとなります。
関係無いけど



丸型Mセット (丸型Mサイズ+SSサイズ)
価格13000円税別

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写真が古いものしかなかった。展示品が現在浜松の遠鉄百貨店静岡県郷土工芸展で飾られてるので。
2019年9月号のBE-PALにも掲載されたモデルです。コンパクトで収納性の良い小さなメンパは山登りにも最適です。実はこれにLLサイズを+すると赤石セットになります。組子で揃えているととても便利ですよね。

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丸型Lセット (丸型L+S)
値段15000円税別

大井屋の一番の人気商品。ド定番と言えます。典型的な日本人にちょうど良いクラスです。
Lにお米を詰めて、Sにおかずを詰めて食べたら組子にしてコンパクトに持ち帰ることができます。
食べて美味しい眺めて楽しい井川メンパの一番映えるサイズ感です。

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丸型LLセット (LL+M)
値段 17000円税別

現場仕事のガッツリ系の型に満足度高めのセットです。丸型はサイズが大きくなると手のひらが小さい人は使いづらいです。男性向けのモデルになります。というところから来季はLセットなのにもっと深い、二寸メンパを作ろうと計画しています。乞うご期待です。


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赤石セット(LL+M+S)
値段23000円税別

丸メンパの最終形態。3つの組子で出来ている赤石セット。LLセット、Mセットのどちらでも対応しているということになります。山登りでも野良仕事でも使える赤石セットは最強です。ただしご注意いただきたいのはいつもほぼ在庫が無い商品です。予約は基本的に不可となります。予約されても一年待ちぐらいで受けております。売ってるのに出会えたらラッキー的存在です。
そして実は大井屋にはこの上のサイズがあります。丸型XL。来季はこの4弾の組合せで富士山セットというのを計画しております。本当に出来るのか?乞うご期待でございます。値段はまだ決めてもいないですが。


組子(セット)商品の利点について

セットで買うと単品で買うよりお得。という値段設定にはしていますが、本当の便利さはそんなところではないのです。セットで揃えていると当然まずは収納性が良い。というだけではなく

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Lセットを分解すれば当然こういうLとSの二組になりますが
IMG_4786

















このようにLの身とSの蓋を組合せて間のMサイズとしても使えます。ということはこれはどの組合せでも同じことになります。とても使いまわした良くなるということです。

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赤石セットを分解すればLL、M、SSとなりますが組合せを帰ればLもSも使えるということです。

こういう風に理解してしまうと俄然セットにした方がお得な気がします。現在お持ちのメンパが単品であれば後付でセットにすることもできます。ただメンパは時代や製作者によって微妙に大きさに誤差がありますので、大井屋に在庫が豊富な時期に持ってくればピッタリ合うメンパが見つかるかもしれませんね。そういう方は相談ください。


たまにイレギュラー商品もつくります

IMG_4792




































丸型の浅口メンパを組子にした赤石浅口セット 
いつも定番で作ってるわけじゃないのでこれも予約不可。レア商品になります

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丸型の浅浅口を組子にした
お皿メンパセット

こういうのも出たりします。予約不可です。井川メンパ専門店ですのでいろんなイレギュラーな商品も実はあります。お見せに来ていただけた時に偶然出会える。そういう楽しみも必要かなと思い、気が向いた時だけ仕込んだりします。


大井屋のメンパすべてに実はロゴが入っています。
IMG_4796




































内側の底に判を押しています。塗りたてだと見えないですけど、数年使ううちに漆が透けてきて見えてきます。見えてくるとああ、メンパが育ってきたなあと思ってください。良い漆を使うとこの透け感が早まります。大井屋のメンパに使ってる漆は他の井川メンパとはちょっと違うですよ。

うるしの天日黒目のこと


以上丸型セット商品のご案内でした。ついでに大井屋のノベルティ商品も宣伝しとこう
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大井屋オリジナルのめんぱ手ぬぐい
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豆メンパがたくさんデザインされてます
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もちろん大井屋のロゴいり。

本来は販売目的ではなく制作したので売ってなかったのですが、けっこう気に入る人が多くて販売も始めました。在庫が残り少なくなり、違うデザインへ変更も考えております。通常1500円→今なら1100円としました。メンパを丁寧に洗ったらこの手拭で優しく拭いてあげましょう。メンパの通販で一緒に手ぬぐい収集も楽しいですよね。どうぞよろしくお願いします

井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
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井川メンパの通販 
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1076988181.html

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やんばいでございます。静岡駅から車で70分。島田駅からも70分。静岡空港からは90分。千頭駅からは徒歩3分。井川メンパ大井屋千頭本店の店主前田ですこんにちわ!

さてさて数日前から冬の塗り直し品を返品していっております。だいたいの方は皆連絡がついていますが、未だ電話にでんわの人もいらっしゃいますのでもしここを見ていたら修理は終わったと思ってください。取りに来る際は事前に電話いただけると間違いないと思います。最近はもっぱら近所の木工アトリエにこもっているのでもし不在の場合は店頭に携帯電話を書いた木札ございますので携帯へお電話ください。

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修理したメンパを眺めながらいろんなことを感じたりします。例えばこれはお櫃なんですが、お櫃は蓋が浅い仕様になります。その蓋の曲げている板が特に痛むというか割れがほとんどの場合入った状態で修理に入ってきます。なぜなんだろう?というところから思考がスタートしますが、単純に蓋なので落としやすい。のだと思います。特に井川メンパの塗りはツルツルした表面ですので滑ることが多いんだろうと思います。というところから自分へのフィードバックが始まります。自分で作るお櫃はどうあるべきか?これらの諸問題を突破するにはどうするか?


落としにくくする→塗りの仕様を変えてみる。最近取り組んでいますが、ただシンプルを見つめた漆で塗るという手法も良いですが、このメンパの肌質へのチャレンジ。漆芸には例えば石目塗とか梨地塗りなどというように鉱物系の顔料をまぜて肌質を表現する方法が幾通りもあります。冬のメンパで少しチャレンジしてみましたが、こういう肌質を滑りづらいものへ変えてゆく。というのを今後一年くらい試して行きたいと思います。溜塗りに梨地のような塗り肌というのはそれはそれで独特ですよね。狙っている計画もあります。後一年くらいしたらたどり着けるかもしれないなと思っています。

落としても割れづらくする→単純に曲げ木を分厚くする。これはけっこう簡単に挑戦できるかなと思っています。現在鋭意製材中ですので夏メンパくらいからのお櫃は蓋の曲げ板が分厚くなるかもしれません。落とす前提で考えるということはあまり普通は想定しないと思いますが、井川メンパはハードに使う日常品ですのでそこは分厚ければ分厚いほど良いと思うのです。お櫃は持ち運び移動も前提にしていないので重量的にも問題は無い。むしろ通常のメンパのラインは今後如何にしてさらなる軽量化を図るか?強度を持ちながら空気の様に軽いというテーマを追い求めていきたいと思っています。


そんな木地の事を考えていたらふとしたことで井川メンパのルーツについてまたちょっと思ったことがございましたのでご報告しておこうと思います。

以前書いた記事の中にも井川メンパのルーツについて考えたことがいくつかございます。興味のある方はぜひお暇な時にでも読んでみてください
井川メンパのルーツ

イセソーホーとひよんどり

井川メンパを志した理由

井川メンパの由来

山の民のことなどについて

山狗様と大井川のことについて

私は井川メンパをやりながらたぶん自分のルーツへアプローチしたいのではないのか?と自分では思っています。それは家系図とかそういう目に見える血縁の配列というものだけではなくて、もっと大昔からどのような意図を持って先祖が生きてきたのかを知りたいと心の底の方で想っているところがあると自分では見ています。なのでこの系統の話は昔からけっこう何度もブログに書いたりしていることが自分でもびっくりです。

そして最近なんとなく見えてきたのは簡潔に言うと井川メンパのルーツは恐らくやはり木地師の集団だと思うという結論です。
井川メンパの特徴として他の曲げわっぱの産地とは明らかに違うところ。それは曲げわっぱも作るけれど、さらに塗りも自分たちで完結しているという事実です。

曲げわっぱのほとんど産地や工房では木地を作るなら木地師ということでそこに専念してきているのが普通で、漆を塗っていない曲げわっぱとして商品が完結しています。ただ漆塗りの曲げわっぱも求められる場合はそれは塗師へ外注して芸術的なものとして高級品として流通しています。だから東北の曲げわっぱは木が杉でできている。というのを以前話たかと思います。井川メンパは檜。檜はにおいが強いので漆塗り前提の木地取りと言えるという話もしたと思う。

ガラパゴス化した井川メンパ

木の事

メンパの語源について


このへんを読んでいただくと井川メンパの木地造りが他の産地とはちょっと毛色が違うような臭いを感じると思います。私も追うにつれて井川という地域特性と職能集団というコミュニティと歴史と文化をひっくるめてなんとなく見えてきたんです。


曲げわっぱの曲げ木の作り方は大別すると二通りの木の切り方があります。波打つような目がでる板目板

















こういう感じが板目板。

まっすぐな線がたくさん並行に入っている柾目板
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こういう感じの線が柾目板。

柾目板でメンパつくると丈夫という話

曲げ板に並行に線が入っているとメンパのふちが漆が剥げても水が板へ浸透しないので長持ちするねんという話です。ご興味がある人はまた読んでみてください。

まあ兎に角この2系統の切り方だけでもいろんな過去の情報が推測できるのです。

井川メンパは柾目板で作るけど、板目板のメンパってないの?と言えばそんなことはなくもちろんそういうスタイルのところがあります。



尾鷲のわっぱ。ぬし熊さんです。私も2016年の独立した直後に訪ねさせていただきました。孤高の職人で曲げわっぱ界最高峰のおひとりせこさん。ここのまげわっぱは板目で取ります。
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私も試しに板目でメンパを作ってみたのですが、それで気づいたのです。白太が多くて漆塗った時に綺麗に映えるということに。そうなんです。漆塗る前提なら板目の方が俄然綺麗に見えるのです。

ここから推測するに板目を選択している尾鷲のまげわっぱのルーツはやはり塗師なのだろうということ。塗りを重視する→木地も塗りが映えることを念頭に制作する→板目取りがセオリーになる。という構図です。
井川メンパの場合
木地師としては木地の丈夫さが大事→強度を重視する→柾目取りがセオリーになる→塗りは我流で丈夫になればそれでよしという構図。

ぬし熊さんという屋号からも塗師という言葉が連想できますし、根来とも地域的に近いということなどからそう考えさせていただきました。そして井川メンパの方が木地師というのは南アルプス深南部と言われるこの赤石山脈周辺の様様な地名から推測しています。

六呂場山

ろくろばやま。木を切り出す回転轆轤が転じてそう呼ばれているといわれています。

丸盆岳

まる盆もあしこぎの轆轤で切り出していたと思います。

他にも探せばいくらでもありそうですが、地名に何かしら理由があるのであればやはりこの山塊には杣人と呼ばれる木地師の職能集団がいたことが伺えます。その派生が井川に定住しメンパを残したと言えるのではないのか?と思っています。

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じゃあ柾目がいいのか?板目がいいのか?結局どっちですか?という質問もあるかと思います。結論はどっちでも良いです(笑)

表現したいものをどちらに主軸に置くかの違いだと思います。私が思うに井川メンパでも板目のメンパがあってもかまわないと思います。例えばメンパではなくお櫃という存在。ハードに現場で使うのではなく家庭内で見た目麗しく楽しみたい。という前提なら加飾性を求めてもいいと思うのです。お櫃は板目でメンパは柾目。というのもひとつの答えなような気がします。まあ、製作者としては面倒なので愚直に柾目板いっぽんで今のところ作っていきますけれど。



工藝を日々掘っていくといろんなことに気づきますがこれもその一端なのです。

メンパを具現化した奇跡について


何が真実であるかはもはや霞の中で知る必要は無いという考えもあります。ただ私が思うに知る必要はなくても知ろうとか感じようという感性のあるなしで到達点が大きく変わる事実を信じています。
ルーツなんてどっちでもええねんではなく、見えない過去のそれらを踏まえて未来を描くメンパは自ずと違う光を発すると信じているからです。今後もまだまだ井川メンパの山の民のルーツは掘り続けたいとおもっているのです。

そんなことを考えています。今後も大井屋をご贔屓いただけましたら幸いです

井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
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井川メンパの通販 
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やんばいでございます。静岡駅から車で70分。島田駅からも70分。静岡空港からだと90分。静岡県の真ん中少し上、川根本町千頭の井川メンパ大井屋店主の前田でございます。おはようございます。

ここ最近のコロナ拡大でSLフェスタも中止になり、大井屋も遠鉄百貨店への出店を取りやめ、籠もるような感じで作業に没頭する日々でございます。先日も言いましたけど千頭本店はしっかり営業しています。マスク着用にてご来店ください。遠鉄向けに用意していた在庫まだまだございます。


















さて先日より久しぶりに店内で実演を行っております。

















桜の樺縫いをやってます。ちなみに桜というイメージが強すぎて木材が桜だと言うお客様が多いですが、井川メンパの木材はすべて檜です。曲げ板、底板ともに檜を使っています。桜は樹皮を剥いできてそれで塗っているのです。カバ縫いという作業に使います

桜樺の採取

この記事見てて思い出したのですが、移住して開業前にまっさきにやったのがこの桜樺の確保。当時まだこちらにあまり人脈が無いので夜な夜な地域の居酒屋に出向いて面白いおじさんおばさんおじいちゃんおばあちゃんと出会い、山主さんと出会い桜を提供してもらいました。そして木を切るのにチェーンソーなんか使ったことなかったアーバンシティ・ボーイなメンパ屋だったので出会ったばかりの近所のおねえちゃんにチェーンソーで切ってもらいました。写真に写っているそのおねえちゃんが今の妻になります。人生はまあいろんなことがあるですよねえ。。。


そんなことは置いといてですね、大井屋のメンパはボンド使ってない。というのはどういうことかということを今一度詳しく説明しておきます。

井川メンパは全国的に見てもちょっと独特な技法を継承していると言えます。それがこのカバ桜を守る錆漆盛りです


















桜の皮でまずは縫っていきます。
_MG_4629
















わかりますかね?桜の樺の部分が切れにくくするために樺を覆うようになんかつけてるでしょ?これは錆漆というものになりまして、漆と珪藻土などを混ぜてパテのようにして使います。ボンドを使わないということはこの錆漆の強度と仕様がだいぶ実は大事で近年このさび改良がだんだん進化しています。井川という地域特製を考えて古代においてはどのような珪藻土を求めて使ったのか?探求は続きます。

珪藻土鉱床を探せの話
錆漆の盛り方

工藝というのは民藝というのはその精神性が大きく問われるジャンルだと思っています。郷土に根ざした郷土の力を具現化したものが長い間人々の魂と共鳴して次世代へと継がれていくものであると考えています

この錆漆ひとつとってもそうです。どこでも簡単に手に入る素材で作るのが当たりまえの世に、わざわざ山に入って探し求めてくるというのは本当の魂を求めるという行為に似ているのではないでしょうか?大事なことなので何度でも言いたい。同じように見えても違う。よく見れば違いがわかる。皆凝視することを忘れている。私のこだわりや行為が意味のあることに思える人にこそ大井屋のメンパは届いて欲しいと思います。当然意味の無いことのように映る人も大勢います。それが世の常です。ぜひ満足行くまで井川メンパの事を考えてみてください。ひとつの弁当箱に真理を感じることができるかもしれません。であれば、なんと安い買い物かと(笑)


話を戻しますが、この桜樺の縫いというのは職人によってかなり個性が出ます。ごまかしの効かない手作業ですのでどんな事をその人が考えて行動しているか読み取れるのです。修理をたくさんこなすとこういうところが見えてきます。何も望月さんだけが師匠ではなく、その先代、海野さん、その先代、もっと古い時代の名も無き職人にこそ輝くような個性が見て取れます。先生はいくらでもいるんです。樺縫いの進化

一年前書いた記事ですが、すでにまたかなり違いが出てきています。縫い方。ポジションは実は木地造りへの応用へと変化しています。望月から教えられた木地の採寸だとうまくいかないのです。なぜか?木地をけちるあまり木が短くなっていたんです。ボンド使うなら問題ないんでしょうけど、ボンドを使わない大井屋はこのあたりの事に回帰できるまでにたくさんの思考錯誤を繰り返しました。

こういうことを追求していくとある事実に気づきます。人間は便利な道具を編み出し見つけると、独自性やオリジナリティを置き忘れる生き物です。古い時代のカバ縫いには様様な個性というのが見えます。縫い方ひとつにその人の発想が読み取れるのです。細かい縫いを重視する強度目線な縫い方。見栄えを重視する縫い方。簡潔さを求め生産性を求める縫い方。非常に面白いのです。ただボンドの登場はこの縫いさえも消し去ることになった。ボンドを使うならもはや縫いはいらないのですが、消費者をごまかすために最低限の縫いは形として残る。この潔の悪さは嘘という毒に直結しているのです。それは少し後に述べます。

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当時修行した時にもらったレシピでは木の重なりの距離のストロークが短いのです。ではどういうポジションで縫いを入れるべきか?もしくは木の採寸を変えていくべきか?まだまだ試行錯誤は続きますが、こういう経過はまさに数世代かけて捨ててきた魂の拾い直しだと思っています。逃げて行くことはできないので、毎日ぶつかり稽古なのです


何が正解で不正解などはありません。正義と悪という構図が実は無いようにです。

私の根底にあるのは、使い手への想いを込めたメンパをつくること。それだけなのだと思っています。
急にシンプルになりましたね。私もいろいろ削ぎ落とすのに時間がかかったのです。

私もまだまだ全てを出し切れていないのです。今の私と明日の私ではすでに別物ですが、出来ればその瞬間瞬間で嘘偽り無く一生懸命魂を注ぎ込めているか?それの結晶としてメンパを産み出して行きたいと強く思っています。未熟な者も千里を歩けば足は達者になるように、兎に角歩みを止めないことだと社会が不安に包まれている世相の中では、特に強く思ったりしています。


また上記の写真を良くごらんになってください。メンパの内径の樺の縫い目の数で単純にボンドを使っているのかそうでないのかぐらいは誰にでも一目瞭然なのです。大井屋の縫いは20近くありますが、さて望月のメンパはいかがでしょう?数えてみてください。また現在匠宿で望月の井川メンパ展がやっています。実演でカバ縫いやってますんで良い機会です。じっくり見てください。途中でボンド入れてます。それが魂を置き忘れているということを如実に表す行いだと大井屋は思っているのです。大井屋ではカバ縫い作業は店頭でいつでも出来るようにしていますので、ご希望が有る方は実演を依頼してくれればどんな時でもお見せします。また曲げわっぱ造りに興味の有る方にもいくらでもお見せいたします。お気軽にご依頼ください。



コロナで世の中が不安に包まれていく中で私は改めて心に決めたことがあります。


都合の良い嘘に飲み込まれて生きない事。
目の前の真実に正直に生きる事。
その為にはしっかりと覚悟と責任を背負って立ち向かう事。


以上三点あたりを特に心の奥へ呼び込んでいます。
ですから忖度して言いづらいことはもう私には何もありません。言い放ちます。真実へ回帰していくのです。その結晶を集め、人を集め、未来へと前進していこうと思います。

今の政治をご覧になってください。嘘が嘘を呼び、だんだんと肥大化した嘘はいつしか真実のように振る舞いはじめ人々を不安にしています。アンビバレント な、二律背反を前提に進行してしまう嘘を嘘とも思わない考え方が世の中心を支配しはじめているから皆は混乱し不安になるのです。それはメンパ造りや工藝や 仕事への考え方に直結していると思うのです。だから私は言い放ちます。嘘をついていることを嘘じゃないと言い張る人を放って置いてはいけないということを。


今後というかすでにですが、常識というセオリーはまったく必要のない時代になってきました。まずは生きる事。家族が楽しく生きる事。魂を置き忘れずに、未来へ繋ぐ事。このあたりが手工芸をせっかくやらせてもらえている我々の責務だと思うのです。迷い悩む事は皆ありますが、そこに沈殿せずに皆で励まし合いながら進む生活を目指しています。今後とも大井屋とそこに在る工藝魂をご贔屓いただけましたら幸いです

井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
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井川メンパの通販 
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メンパの塗り直しは2月8月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から
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やんばいでございます。静岡駅前から車で70分。島田駅前からも70分。川根本町千頭にございます井川メンパ大井屋店主の前田でございます。こんにちわ!

さて浜松遠鉄百貨店での静岡県の郷土工芸品展に実演と出店をしませんでしたので、千頭店での営業は通常営業しております。実演を楽しみにしていた方もいたようなので大井屋本店でしばらくは実演することにしました。


































時間が急遽できたので久しぶりにレイアウト変更と実演スペースを作りました。
桜のカバ縫いをやっています。ちょうど丸子の匠宿で望月さんところが実演販売をしているそうなので興味がある人は見に行ってみてください。よーく見てください。ボンド使ってますからね。桜の樺縫いだけで留めているのは大井屋の井川メンパだけです。大井屋はボンド使ってません。それだけでも違いがわかるかと思います。


またメンパの良し悪しを判断する方法はひとつあります。以前言ったかもしれないけれど『臭い』です。

使用前の臭いについて
メンパは子供のうちから使うべきという話

匠宿や駅前やデパートで売っている望月の井川メンパはシンナー臭いです。それは漆にシンナーを混ぜているからです。単純なことです。作業をしやすくするために混ぜています。お弁当箱でそれはないやろう?と私は思っていますがやめてくれません。

大井屋の井川メンパは有機溶剤は一切使用していませんので臭い取りが必要ありません。そのまま使えます。米びつに入れとけとかお酢で拭けというのはシンナーの揮発する臭いをごまかすためです。安くてもシンナー臭いメンパが欲しい人はそちらへどうぞ。有機溶剤は二、三年はゆっくりと揮発していきます。ご自身の健康はご自身で判断してください。
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遠鉄不参加となりぽかりと時間が出来ましたので今日から桑野山木工所で製材を集中的にやっています。店舗に居ない時もございます。店舗前に携帯の番号を書いた札を立てていますので不在時はそちらへかけてください。5分ほどで戻れるかと思います。前もあったのですが着信だけでは判断できないので通話して来店した旨伝えてください。以前着信だけして何時間も待っていたという方が居たので(笑)


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メンパ造りというものは手をかけようと思えばいくらでも手をかけれますし逆に手を抜こうと思えばいくらでもごまかすことが出来るものです。どういうものが欲しいのか?は値段で判断すべきものではないと思います。ちなみに大井屋は絶対にディスカウントしません。値引きはしません。なぜかといえばそれは今日まで贔屓にしてくれたお客様を裏切ることになるからです。望月さんのところで買うと安いけど匠宿に行ってもほとんど無くて欲しいものが無く売ってないと昨日より何件かご来店があり、値段を言う方も居ますので改めて何度でも言わせていただきます。

井川メンパ望月がやっている漆にシンナーを混ぜたり、油を混ぜたり、ボンドを使っていたり、柿渋ほとんど塗らなかったり、木が乾燥出来てなかったりは大井屋は嫌なのです。

井川めんぱ大井屋のメンパは完全に天然素材にこだわった製法で作っています。値段が違うのはその為です
大井屋の井川メンパの値段と展開について


現在丸子の匠宿で望月のメンパ展をされているようで、商品が殆ど無いと当店に来られるお客様には事前に上記の事をお知り頂きたいと思います。コロナ対策として時短接客をしておりますので、出来れば事前に諸々当ブログにてご確認願います。

















生産者には消費者へすべての情報を開示する義務と責務があると大井屋は強く自覚しております。だいたいの情報は当ブログにやんごとなきスタイルにて語っておりますのでどうぞお暇な時間を見つけては井川メンパのなんたるかをお調べいただけますようにお願い申し上げます。そこから先のマニアックな話であればコロナであろうがなんであろうがお話はしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします



尚、大井屋に入店の際はマスク着用をお願いいたします。先日マスク未着用で来られた方が居たので提供させていただきましたが、その方は何故かありがとう。と言いながらマスクをポケットにしまわれました。なんでやねん!(笑)つっこむのも忘れました。


こういう時はお互いが気持よくメンパを眺められるようにご協力いただければ幸いです


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やんばいでございます。静岡市の大奥の方で産まれた井川メンパを作りながら田舎移住と店舗経営をしています大井屋でございます。こんにちわ!

さてコロナ厳しき日々となりつつありますが、安心してください。そのうち慣れてきます。
私は半月程前に不安のピークが来ましたが今はどうってことなくなりました。早寝早起きしているとメンタルは回復していきます。どうぞ心が苦しく感じたら少しでも早く寝ましょうね。あと緑茶飲みましょう。


さあて長いことお待たせしましたが、塗り直しが完了致しました。
今回は自分で言うのもなんですがだいぶいい感じです。理由があります。塗り部屋の改装をセルフリノベしたんですこの冬。
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昔から漆塗りってのは土蔵みてえな冬は暖かく夏は涼しいところがええんだわ!というようなことをどこぞの塗師が言ってたのを思い出しまして、うちのような築50年以上の日本建築などは柱こそしっかりしてても壁なんてペラペラの合板とトタンの構造ですから、いくら部屋を温めたりしてもストーブやエアコンが切れた瞬間にもうそれは悲惨な感じで硬化が止まってしまうのです。また部屋全体を温めるというのも難しく棚の上部と下部では仕上がりが違ってくる。なんてこともざらにありました。
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上の方と下の方では塗り上がりが違ったりするのはけっこう背丈くらい高低差があるからですよね。
ということで1月は隙をみて木材を切っては貼り付け切手は貼り付けして塗り部屋の全面を分厚い杉の板で多いました。おかげでストーブ3台も稼働していたのが1台で済むし何より部屋がぜんぜん冷めない。朝塗り部屋に入るとまだほんのり暖かい。漆塗りが難しいのはこういう総合的な環境の整備がまず大前提として必要だったりするところかもしれません。でも本当はそれこそ土蔵みたいなところで塗りをやりたい。いつか蔵建てよう。その為にはまずは井川メンパをきっちり軌道に乗せていこうと。



































こんなボロボロのめんぱが
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つるりと産まれ変わる。
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艶々ですね。ぶっちゃけ新品より味があって良かったりするものもある。悔しいけども

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縁が欠けてぶっ壊れてたメンパも木材を切り抜いて麦漆で接着して布着せして補強してってやってから漆を塗ってやる。最近はもうなんでも来いでどんなボロボロでもなんとかしています。壊しちゃったなおらないかな?と捨てる前にまずはご相談ください。大井屋はなんとかしてみせます。貴重な海野の井川メンパをひとつでも後世に残していきましょう。
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でもできればメンパは大事に扱ってくださいね。治すの本当にたいへんなんです。

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例の底が抜けたメンパもこの通り。

















これがこれしてこれになると思いますか?それがなるんです
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中もしっかりはまっています。まだまだ充分使っていける。もっと早く修理すればもっともっと重厚になっていくのになと思いつつ。いつかまた戻っておいでと送り出す。

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おひつも塗り直しもちろんやっています。お櫃は蓋を落とすことが多いようでだいたい皆さん蓋が傷んでいる。

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割れを麦漆と錆漆で抑えこんで広がらないようにして漆を塗っていきます。治した感がまたいい感じだと思います。メンパは何も新品だけがいいとは言い切れない。何回も使い込んでいくうちに自分だけの愛着が湧くものですよね。


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やらないよって言ってるのに木曽メンパとか大館の曲げわっぱとか博多の曲げ物とかいろいろと多産地のわっぱが修理で持ち込まれるようになってきてしまった。追い返すこともできないので1000円増しくらいでやってたんですが、、、
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木曽の摺漆仕上げのメンパに塗りたててやるとこれはまたいい感じになる。しかも底サビ入れてるんで井川メンパ仕様でどこにも売ってないメンパになっちゃてる。これで五千円とかでやっていいのかな?と自分でも思ってる

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井川メンパでは見ない構造と形
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ううーん。ちょっとこれはこれで素敵ですね。しかもこれ昨日塗ったばっかりだから今後の色味の変化はかなりええかんじになりそうですね。返したくない(笑)

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塗り直し修理をやっていて思いました。何も井川メンパに固執する必要はそろそろなくなってきたなと。


曲げわっぱとか曲げ物とかという市場でいけばメンパよりよほどユーザーが多いのです。メンパとワッパはまったく同じものなのにそこを区別して考えるのももはや意味がないなと思えてきました。

ということで今後は井川メンパ以外のまげわっぱも積極的に修理補修塗り直しを行っていきたいと思います。全国のまげわっぱユーザーの皆様で曲げわっぱの修理が必要になった方は井川メンパ大井屋までお問い合わせください。当然持ち込みではなく宅配郵送での受付、返品サービスとなります。決済は必ず郵便局の代引きとなります。基本的な修理内容は井川メンパのそれとかわりませんのでご理解ください


井川メンパ仕様で修理することになりますが、井川メンパで培った天然素材のみでオーガニックに仕上げる漆塗り修理を行っていきます。

価格はサイズによって変わります。

井川メンパの補修代金の1,5倍程度になってくるかと思います。

ざっくり言えば

Sサイズくらいの子供用とか小さいものが6千円 
Mサイズくらいの女性用の物が8千円
Lサイズくらいの男性用の物が1万円

くらいな感じでやりたいなと思っています。当然今回のぶんまでは今まで通り井川メンパの補修に+1000円でやらせてもらってますのでご安心ください。

その代わり井川メンパ以外はオールシーズン修理は対応させていただきます。大井屋で販売しているメンパもオールシーズン対応します。従来の井川メンパの塗り直しは告知通り年に一度正月のみとなります。また2021年度からは井川メンパの修理すべて500円修理代金を上げる予定とします。安いかわりに返品の際は今までと同じ店舗まで取りに来られる方のみです。事情があって取りにコレない人は事情の内容次第では承りますので電話で相談してください。車いすなので行けないという人に取りに来いとはいいませんので。そういうことです。

Sサイズ3000円→3500円
Mサイズ3500円→4000円
Lサイズ4000円→4500円
LLサイズ4500円→5000円

というような感じになります。いずれにせよそれでもこのクラスの漆を塗るメンパ修理としては破格だと思います。昔のメンパも大切にしてほしいからです。望月のメンパと見た目が違うのはそもそも塗っている漆がうちの方がまともだからです。安物は使ってません。塗ったら翌日にはもうわかる。ということは数年後。楽しみですね。


修理の見積もり問い合わせ等は大井屋のメールまでご相談ください。写真を添付してくれるとアドバイスしやすいです。

もう一度復習します。

井川メンパの修理は毎年正月のみ。返品時千頭まで取りに来られる方限定。その代わり修理代金安いですよということ
井川メンパ以外のまげわっぱ修理。井川メンパ仕様の漆塗りでの修理になります。国産の物に限ります。見積もりをまずメールにて相談ください。了解となれば店舗まで送っていただき、春夏秋冬の通常製作時に併せて補修し返品します。決済は代引きのみとなります。

修理は絶対というルールが無いので、後はその人の心意気に任せるしかないと思います。
大井屋のモットーは心と身体に優しいまげわっぱ弁当箱の追求ですので、そういうところに共感いただける方の修理を優先していきたいと思います。修理をきっかけに井川メンパを愛してくれるユーザーが増えますことを念頭に精進して参ります。どうぞよろしくお願いします

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やんばいでございます。井川メンパ大井屋店主前田です。こんにちわ!
さて先日通販を開始しましておかげさまで何件かすでにご注文をいただき嬉しい限りです。慣れない発送業務も日々少しづつやっているとあまり嫌でもなくなりますね。でも未だに発送前は間違いがないか緊張したりし何回も見なおしてます(笑)

井川メンパの通販

さて前回は子供用メンパと赤ちゃん用メンパをご紹介しました
赤ちゃん用メンパ 子供用メンパ

今回はずばり

【丸型全サイズご紹介となります】

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ずらりと並べてみました。大井屋の丸型メンパはなんと左からSS、S、M、L、LL、3L、XLの七種類あります。昔からの人はS、M、LLくらいのサイズしか知りません。だって昔も今も大井屋以外は売ってなかったんだもん。


私は個人的になんですが俄然丸メンパの方が好きなのです。小判型より。
だから作業量はまったく変わらないのに丸型が小判型より安価に値段を設定しているのです。
丸型が本来の井川メンパなのです

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丸型と小判型を比べて何が違うか?ちょっと大事な話をします。

実は丸型の方が小判型に比べて丈夫に出来ています。

曲げている曲げ板が丸の方が厚く、小判型の方が薄くなっています。

どういうことかというと、小判型はむしろ薄くする必要があるというのが正解かもしれません。
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小判型というのは曲げているカーブがきついのでそれなりに薄くする必要があります。
小判はシャープに。丸は無骨に分厚く。というのが大井屋のイメージです。

















ただそれもこだわりがあって昔ながらの厚みへ回帰しています。
というのもいろんな産地の曲げわっぱを見る限り、年々どんどんうすっぺらくなってゆく。
コストカットもそうですし、薄っぺらい華奢な方がどうも小奇麗に見えるものです。

それではいかん。

と心の叫びが聞こえてきました。


















実測値はどうかわかりませんが、さわった感じでは丸型は年々だいぶ厚く作るように変えていっています。曲げ、木取り、道具、方法論。いろいろ向上の上にちょっとづつ変化させていっています。数年後にはひょっとしたら東洋一分厚い曲げわっぱになっているかもしれません。


ですのでアウトドア派には丸型を。インドア派には小判型をおすすめしています。よろしくどうぞ


さて丸型の商品紹介をしていきます。SSサイズは前回紹介したので一つ飛ばしてSから

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丸型Sサイズ
値段7000円税別 容量400cc

昔で言うサイコ、サイノコというサイズです。米というよりも味噌などの調味料なんかを入れていたと言われているサイズです。少食の女性とか小学校低学年くらいまではこのサイズかな。

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直径12センチ 深さは丸型はみな一緒です。6センチ強

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丸型Mサイズ
値段 8000円税別
昔から女物と呼ばれたサイズ。女性向けのスタンダードです。手のひらへの収まり具合、持ち運びのしやすさ。強度など一番バランスのとれたサイズ感です。

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直径13センチ 容量450CC
ワンサイズ増えるごとに直径も1センチ伸びます。容量も50づつ増えます。
単品商品では丸型として一番人気です。女性は丸型を選ぶ方が多いような気がします。

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丸型Lサイズ
値段9000円税別
昔から男物と呼ばれたサイズです。ド定番。古い修理に一番多いタイプです。昔はたくさん米食べたんだねたぶん。

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直径14センチ 容量550CC
強度的には一番丈夫なサイズ感です。山、川、海な人はぜひ丸のLおすすめです

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丸型LL
値段10000円税別
このサイズになるとお櫃使いも可能です。うちのお袋はこれをおひつ代わりに使って冷蔵庫へそのままインしてます。ちなみに大井屋のメンパは檜を3年以上天然乾燥していて混ぜ物しない漆で仕上げているので冷蔵庫利用オッケーとしています。安物買うと乾燥しすぎてすぐ割れたり隙間空いたりしますのでご注意ください

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直径15センチ 容量600CC

個人的に一番好きなサイズです。力強さ、タフさ、無骨さ。ザ井川メンパと言えば丸のLLかな?

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丸型3L【スリーエル】
値段11000円税別
このサイズ感は実は大井屋オリジナルです。新しく型を作って二年前くらいから販売しています。
通常ここまでのサイズになってくるとお櫃へと移行しますが、デカイメンパはかっこいい。という理由だけで制作をはじめました。この深さと長さの柾目板を取るのはけっこうたいへんなのであまり積極的には作らないですが、たまにまとめて作ったりしています。レギュラー商品ではないので欠品していることが多いです。要予約です

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直径16センチ 容量700
そろそろこのあたりは一般人向けではないです。お米は飲み物ですな人にどうぞ
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丸型XL
値段12000円 税別

もはや木の厚み、容量、保温力、強度ともに最強クラスなメンパです。
子供なら三人分くらいのお弁当がこの一つで足りてしまうかもしれません。個人的には剛力メンパと呼んでます。勝手にネーミングするの好きなので。お米は霞を食らうが如くの人向けです。



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直径17センチ もはやフレームインできませんでした。単焦点レンズなので



実は大井屋のメンパには他に負けない見えない特徴があります。それは


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底板の厚み。従来よりも2ミリも厚く作っています。だいたい6,5ミリに仕上げています。
されど1ミリ
底板はこんな感じではめとります

板が厚い。というのは単純に保温力が違います。そしてそれは劇的にメンパ飯のうまさにも実は直結しているのだろうと思っています。
メンパ冷や飯が最高な理由
漆の電解腐食の話

こういう完全に見えない部位をどう扱うかは生産者個人の感性の問題で、なかなかお客さんには伝わりづらい感じづらいことのように思います。でもそこがそもそも大事だと思ってます。お米をどうやったら一番おいしくお昼時に食べるか?皆さんの日々のモチベーションに繋がる大事なファクターです。

大井屋はここらへんへまっしぐら。どうぞ大井屋の井川メンパをご利用ください。後悔はさせない。情報は公開するけど。


丸型メンパの現在の在庫状況です
丸型SS 5組
丸型SS浅口 5組
丸型S 11組
丸型S浅口 1組
丸型M 2組
丸型L 6組
丸型LL 1組
丸型3L 1組
丸型XL 売り切れ
丸型XL浅口 7組

浅口というのは小判型と同じ深さの丸型です。つまり5センチ強くらいの深さになります。

通販を始めたら在庫が日々けっこう流動していますので、ご注文の際には売り切れている可能性もあります。通販では予約は受け付けていません。管理しきれなくなりそうなので。ご容赦ください。

ご予約については店舗で直接お願いいたします。
またすでに大井屋をご利用いただいたことがあるお客様はお電話にてご予約を承ります。ご連絡ください。

次回は丸型のセット商品をご案内致します。

たいへん申し上げにくいのですが、ド定番の一番人気丸型のLセットは昨日を持って売り切れとなりました。次回は春メンパ以降での提供となります。丸型LLセットは残り三組ございます。今日時点で。どうしてもな方はお早めにご相談ください。

丸型の組子は本当に素晴らしい商品だと思います。先祖の何かを感じるのは私だけでしょうか?


今後も井川メンパ大井屋をご贔屓いただけますことお願い申し上げます
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