やんばいでございます。井川メンパ大井屋前田です。
さて寒い日々の中でもここ数日緩んできた感がしますが、今年は薪ストーブのおかげで本当に温かい毎日を過ごしております。
ストーブの前で火に当たりながら作業するようになって基礎体温が上がって来た気がします。その為かわかりませんが今年の冬は特に体調を崩すことがまだないです。例年はだいたい冬の盛りに体調を崩しておりましたが、遠赤効果のおかげでしょうか?いずれにせよメンパの製材で余った木は今後も燃料として余すところなく使って行きたいです。自然から貰ったものは最大限無駄なく利用して行きたいと思って居ります。
そして2月に入り塗り直しにとりかかっておりますが、今のところ順調に来ており来週からはいよいよ漆の塗り作業に入れそうです。現在は研ぎ出しをやっております。塗り直しの時はいろんなオールドメンパに出会える、実はそんな素敵な時間でもあります。
海野や望月というより以前の井川メンパ。組合のあったころのものをオールドメンパと呼んでおりますが、またいつの日か井川メンパの組合が出来るほどに産業として復活できるか。今後の私の人生を賭けた命題でもあります。
ところで塗りなおしで入ってくるメンパはどれも状態が良いものばかりではありません。
漆もほとんど残らないくらいボロボロになったものも修理で依頼されますが、そういうメンパを研ぎ出ししている時にとっても臭いなあと思うことがあり、なんなんだ?と思っていました。しかし最近その強烈な匂いがなんなのか気づきました。
そうなんです。井川メンパの下地には柿渋が塗られておりますが、どうやらその柿渋の匂いなのです。使い込みすぎて漆も残っていなく、最後の砦のように木地に染みこんでいた柿渋が研ぎだした勢いで飛び出して来ていたのです。
30年や40年経ってこんなにも鮮明に柿渋の匂いがパッキングされているとは!漆のコーティング力は凄いと思いますし、何よりも先人は柿渋の防虫効果がここまで威力を維持することを良く知っていたのでしょうね。大井屋もこれまでどおり柿渋は自家製にこだわって惜しみなく使って行きたいと改めて思わされました。
普段断っておりますが、井川メンパ以外の国産曲げわっぱの修理塗り直しをどうしてもと依頼されることがあります。そしてそれらをよくよく観察するとどうも木地に防腐剤なのか?木地を柔らかくさせる柔軟剤なのか?何かわからないが溶剤が染み込まされているのを発見してしまう時があります。
こうやって多くの曲物に触れてみてわかってきたことですが、外国産だけにある問題だと思っていたのに国産のものの大半にも見えない問題があるようです。漆に混ぜる顔料のこともそうですし、木地に染み込ませている有機溶剤【恐らく防腐剤】というのはちょっと深刻な問題なのではと思う最近です。日本の法律では食品には厳密に規定された基準というのがありますが、器に関しては厳格な規定というのがありません。これでは食品にいくら気を使ってもあまり意味が無いのではないでしょうか?
漆塗り曲物の弁当箱は美味しいだけでは駄目なのです。身体を浄化する古来の知恵の塊であって欲しい。私の作る井川メンパはそういうものを目指したいと改めて思うようになりました。
私は一切の化学物質を使わず、天然素材だけでメンパを作っています。その思いと行動は創業時から変わっておりません。ただそれをやるにはそれなりの手間と努力が在るということをなるべく伝えて行きたい。私がやっている事が凄いと言い張りたいのでは無く、井川メンパとは本来そういうもので今後もそうあるべきだと強く思うからです。
井川メンパとて時代の流れで見えないところはゴニョゴニョとして変えて来てしまったところもあると思いますが、今後は逆に本来あったあるべき姿へと戻していかなければならないと強く思います。自分の中ではそれがある意味進化であるとさえ思います。塗り直しというのは非常に手間と時間がかかりますが、そういう気づきを教えてくれる大事な勉強の時間でもあるのです。
今後も毎年2回の塗り直し頑張って続けて行きたいと思います。
が、しかし。最近あまりにも塗り直しの依頼が多くなってしまい自分のメンパ制作に影響が出始めております。年に3,4ヶ月も塗りおなしに時間を取られてしまい大井屋の井川メンパがなかなか作れていません。ということで残念なお知らせですが、次回からは毎回100組を限度として行うことにしました。当然大井屋でお求め頂いた井川メンパはいつでも塗り直しはしますのでご安心ください。
先着順で締め切らせていただきたく思いますので、次回8月の塗り直しは7月末まで受付ではなく100組依頼が来た時点で受付を終了させていただきたく思います。
今後ともどうぞ井川メンパ大井屋の活動をご贔屓頂きたくお願い申し上げます。
さて寒い日々の中でもここ数日緩んできた感がしますが、今年は薪ストーブのおかげで本当に温かい毎日を過ごしております。
ストーブの前で火に当たりながら作業するようになって基礎体温が上がって来た気がします。その為かわかりませんが今年の冬は特に体調を崩すことがまだないです。例年はだいたい冬の盛りに体調を崩しておりましたが、遠赤効果のおかげでしょうか?いずれにせよメンパの製材で余った木は今後も燃料として余すところなく使って行きたいです。自然から貰ったものは最大限無駄なく利用して行きたいと思って居ります。
そして2月に入り塗り直しにとりかかっておりますが、今のところ順調に来ており来週からはいよいよ漆の塗り作業に入れそうです。現在は研ぎ出しをやっております。塗り直しの時はいろんなオールドメンパに出会える、実はそんな素敵な時間でもあります。
海野や望月というより以前の井川メンパ。組合のあったころのものをオールドメンパと呼んでおりますが、またいつの日か井川メンパの組合が出来るほどに産業として復活できるか。今後の私の人生を賭けた命題でもあります。
ところで塗りなおしで入ってくるメンパはどれも状態が良いものばかりではありません。
漆もほとんど残らないくらいボロボロになったものも修理で依頼されますが、そういうメンパを研ぎ出ししている時にとっても臭いなあと思うことがあり、なんなんだ?と思っていました。しかし最近その強烈な匂いがなんなのか気づきました。
そうなんです。井川メンパの下地には柿渋が塗られておりますが、どうやらその柿渋の匂いなのです。使い込みすぎて漆も残っていなく、最後の砦のように木地に染みこんでいた柿渋が研ぎだした勢いで飛び出して来ていたのです。
30年や40年経ってこんなにも鮮明に柿渋の匂いがパッキングされているとは!漆のコーティング力は凄いと思いますし、何よりも先人は柿渋の防虫効果がここまで威力を維持することを良く知っていたのでしょうね。大井屋もこれまでどおり柿渋は自家製にこだわって惜しみなく使って行きたいと改めて思わされました。
普段断っておりますが、井川メンパ以外の国産曲げわっぱの修理塗り直しをどうしてもと依頼されることがあります。そしてそれらをよくよく観察するとどうも木地に防腐剤なのか?木地を柔らかくさせる柔軟剤なのか?何かわからないが溶剤が染み込まされているのを発見してしまう時があります。
こうやって多くの曲物に触れてみてわかってきたことですが、外国産だけにある問題だと思っていたのに国産のものの大半にも見えない問題があるようです。漆に混ぜる顔料のこともそうですし、木地に染み込ませている有機溶剤【恐らく防腐剤】というのはちょっと深刻な問題なのではと思う最近です。日本の法律では食品には厳密に規定された基準というのがありますが、器に関しては厳格な規定というのがありません。これでは食品にいくら気を使ってもあまり意味が無いのではないでしょうか?
漆塗り曲物の弁当箱は美味しいだけでは駄目なのです。身体を浄化する古来の知恵の塊であって欲しい。私の作る井川メンパはそういうものを目指したいと改めて思うようになりました。
私は一切の化学物質を使わず、天然素材だけでメンパを作っています。その思いと行動は創業時から変わっておりません。ただそれをやるにはそれなりの手間と努力が在るということをなるべく伝えて行きたい。私がやっている事が凄いと言い張りたいのでは無く、井川メンパとは本来そういうもので今後もそうあるべきだと強く思うからです。
井川メンパとて時代の流れで見えないところはゴニョゴニョとして変えて来てしまったところもあると思いますが、今後は逆に本来あったあるべき姿へと戻していかなければならないと強く思います。自分の中ではそれがある意味進化であるとさえ思います。塗り直しというのは非常に手間と時間がかかりますが、そういう気づきを教えてくれる大事な勉強の時間でもあるのです。
今後も毎年2回の塗り直し頑張って続けて行きたいと思います。
が、しかし。最近あまりにも塗り直しの依頼が多くなってしまい自分のメンパ制作に影響が出始めております。年に3,4ヶ月も塗りおなしに時間を取られてしまい大井屋の井川メンパがなかなか作れていません。ということで残念なお知らせですが、次回からは毎回100組を限度として行うことにしました。当然大井屋でお求め頂いた井川メンパはいつでも塗り直しはしますのでご安心ください。
先着順で締め切らせていただきたく思いますので、次回8月の塗り直しは7月末まで受付ではなく100組依頼が来た時点で受付を終了させていただきたく思います。
今後ともどうぞ井川メンパ大井屋の活動をご贔屓頂きたくお願い申し上げます。