井川メンパの番人 大井川めんぱ大井屋 

井川メンパとは檜の曲げ物に漆を塗った野性味溢れる昔ながらのお弁当箱として主に山仕事をされる方々に愛用されてきた赤石山脈周辺文化圏で受け継がれてきた特殊な民藝品です。2016年9月より静岡県榛原郡川根本町千頭に移住し井川メンパの制作から販売まで一貫して行う井川メンパ大井屋を営んでいましたが、2021年11月より大井川めんぱ大井屋として名称変更し再活動を始めた店主の前田佳則と申します。大井川めんぱは漆にシンナーや油などの混ぜものをしない塗りで、ボンドも使わない桜カバだけで縫い止めた昔ながらの井川メンパそのものを追求し制作しています。これらメンパは修理しながら長く使える機能的な漆塗り曲げわっぱです。赤石山脈周辺に脈々と受け継がれた山人の為の究極に考え抜かれた先人の知恵の塊とも言える漆塗り曲げわっぱであります。ぜひ皆さんの人生のお供にこの民藝品をお加えいただけることを願っております。大井川鐵道が千頭まで復旧する為に全てを賭けて頑張っていきますの大井屋でございます。よろしくどうぞ ®️登録商標第6540431号 大井川めんぱ 大井屋 https://ikawamenpa.blog.jp/archives/1080733506.html 大井川鐵道全線復旧を支援する署名運動が始まりました。ぜひご協力ください 

すでに大井川めんぱをご利用されている方もこれから利用を検討されている方も、その造りの良さやお弁当ライフの心地良さが少しでも伝われば幸いです。2016年9月より大井川鉄道終着駅川根本町千頭にて独立開業した井川メンパ大井屋から2021年11月大井川めんぱ大井屋と名称変更しました。漆塗りの曲げわっぱとして最高峰を目指し日々精進して参ります。井川メンパの塗り直しは毎年1月に行います。国産まげわっぱの漆塗り修理始めました。現在在庫は全て売り切れており半年から一年待ちとなります。ご迷惑をおかけしておりますが何卒よろしくどうぞ https://www.facebook.com/ikawamenpa/ https://ikawamenpa.business.site/

2016年11月

やんばいでございます!井川メンパ大井屋です。明日12月1日19:30よりNHKBSでニッポン鉄道ぶらり旅という番組で大井屋出演します。五十嵐健人くんという俳優さんといろいろしゃべったりしました。絵に書いたような好青年でした。将来大物になって大井川鉄道登って来てくれる日を楽しみにしたいと伝えておいたのでそうなる日が来るような気がします。

さて私の工房は線路からおよそ2メートル。いろんな人が横を通りすぎてゆきますが、時間有る時はなるべく笑顔で手を振っております。千頭に入ってくる時も出る時も井川メンパ見かけたら愛想で良いので手を振り合いましょうね!私がメンパ振ってたらあなたの大吉な日です!


さて明日は菊川西中学校へ生徒さんにお話をさせていただきます。
伝統工芸の立場からこれからの働き方について偉そうなふりして話しさせていただきます。明日の時間が見えない未来の何かにつながっているのは間違いないので、気持ちをぐっとぶつけて参ります。

手工芸がこれからの未来の日本を造るとお大げさに言うてみますが、強ち間違いでもないと思っております。上手く伝えて若い人を巻き込みたいなと。よろしくお願いします!



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やんばいです!井川メンパ本日も順調に怪我無く仕事を終えられました。やっぱり機械刃物を使う時は怪我が無いように毎朝神棚にお願いしたり、足回りの整理だとか体調管理だとか。能率よりそういうところを再優先して今後も取り組みたいと思います。

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川根本町から借りているプレハブ。見た目古いけれど中は畳の小上がりもあるし、広々使いやすいです。

9月後半くらいからほとんど店舗での作業だったので、久しぶりに工房を空けてみると、、、、

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窓を開けようとするとなんかシャーシャー鳴く音が。最初涼虫かなにかと思ってずっと足元探していたら、な、なんと。。。。窓枠の上にコウモリさんがおられまして、威嚇されました。

いや〜さすが大自然前天然生活行き環境っす!窓開けておれば逃げるかと思ったのですがさすが夜行性。その日一日ずっとこのままで夕闇になる頃、すっと飛んでいかれました。どうぞ出来ればもっと暗いところへ引っ越していただければ幸いです。


仕事のペースを早く掴んで、来年はコウモリの皆様が移住してくるような事が無いように常に工房を回したいなと思う今日このごろ。でもまずはゆっくりでもしっかりとしたものづくりの原点の時間を過ごしたいと思います。

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やんばい大井屋です!本日2回目の投稿でありますが大事なお知らせです。
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本日より井川メンパ売り切れに付き、予約分を除き3ヶ月待ちの注文生産となります。
昨日修理の塗りが終わりましたので、今日から制作を再開したと同時に店舗在庫が0になりました。
店舗にお越しの際は展示品を確認していただき、注文生産となります。
生産数がまだまだ少なく、ご希望に添えずたいへん申し訳ありませんが、手を抜くわけにもいきませんので一生懸命頑張って行きます。どうぞ生暖かく見守っていてください。お願いします。



さて、秋の塗り直しのご報告です。

今回は3回塗りと4回塗りにわけて修繕していきました。なかなか難儀な物件が多かったですが、今回はたいへん良い仕上がりになりました。温度管理、湿度管理もなるべく自然の条件でやろうと試みた今回。まさにドンピシャリでした。やっぱり自然の空気や温度感が一番良い仕上がりになるように確信しました。というのも、井川メンパ海野さんの奥様に先日お会いした際、海野周一さんはエアコンや加湿器などにはあまり頼らなかったよとアドバイス頂、早速実践したのですがこれはやはりやるだけの意味はある事だとやってみて思った次第です。


海野家で作られた井川メンパのおひつやメンパ
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こんなボロボロでも再生できました。
ワレを補修して、研ぎ出しして、漆を塗って

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おんなじ物とは思えない再生力。これぞ井川メンパの再生力です。

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井川メンパ大井屋では、どんなコンディションの井川メンパも修復塗り直し致します。
ただ店舗に持ち込める方限定とさせていただきます。郵送での塗り直し依頼は基本的に今後受け付ける予定はございません。塗り直し、修繕に関してはどうぞ直接お持ちいただける方のみとさせていただきます。何卒ご容赦願います。


どれも新品以上の輝き。漆が厚い分、重厚感がありますね。これもまたオンリーワンな自分のメンパに育てる楽しみの一つの形でしょうね。
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さて、今回の修理で感じた先人たちの工夫や技。今後のメンパ制作に行かせていけそうです。
いろんな事を語りかけてくれる古いメンパ。言葉ではなく、意匠で伝統や技というのは受け継ぐものかもしれないですね。となると、私の親方は幾人もいるかのように感じ、多くの言葉が時間軸と空間軸を飛び越えて降ってきているように思います。



ただひとつ。感謝を持ってお返しできる日を目指し、井川メンパ精進して参ります。



大井屋 前田佳則


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いよいよ川根の山が紅く染まってきました。やんばいです大井屋前田です!

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井川メンパ大井屋の工房は川根本町桑山貯木場内にございまして、私は毎日こんな景色を見上げて仕事をしております。贅沢の極みだと思って、毎日眺め倒しております。

さて本日はK-MIXのモーニングラジラに生電話出演しました。だんだんと大井屋の事を知ってくれる人が増えてきて嬉しいと同時に、もう一回ちゃんと営業時間を告知しておこうと思います。

井川メンパ大井屋
川根本町千頭1225-8
050-5894-2806
営業時間 9:00〜17:00
定休日 水曜日

井川メンパ工房
〒428-0413 静岡県榛原郡川根本町桑野山424

※店舗に居ない場合は工房にいる可能性が高いです

さて明日から週末にかけて燃えるような紅葉が実っている川根です。上がって来られた際はぜひお立ち寄りください。ただ申し訳ありませんが、現在在庫0に付き3ヶ月待ちでの注文生産となります。展示品でご確認いただけたら幸いです







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やんばいです!というのは川根や井川の方言で「ごきげんいかがですか?」とか「こんにちわ!」という意味で、良い塩梅ですね!的な表現のようです。改めましてやんばい大井屋です!

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さて、本日はノボリができたのでそのノボリの足場を作っておりました。
移住当初近所のお爺らと山に遊びに行った時拾ってきてあったタンコロを繰り抜いてみました。

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向かいのお茶屋さんの社長に全面協力いただき
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ドリルを借りてノミと金槌をふるって、穴を開けること小一時間
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SLとコラボってみました。とりあえずこれ目印に遊びに来てください
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こちらも千頭の書道家大石宏先生に書いて頂いた看板に漆を摺りこんみました。
近々高いところにあげようかと思っておるのですが、なかなかたいへんな作業でしばらくは低い位置で我慢してもらってます。


さて、塗り直しも後1日で終わります。それが終われば川根メンパ第二弾の制作開始です。年明けには店舗に並べられるように一生懸命がんばりたいと思います。日々バージョンアップを重ねているので1年ごとに違う風味になると思われますが、いずれにせよ耐久度ナンバーワンをコンセプトに制作していこうと思っておりますので、川根に来られる際はぜひ遊びに寄って下さい

またトーマス機関車クリスマス特別列車というイベントがあるそうです。詳しくは大井川鉄道のサイトを確認ください。星空列車とか吟醸列車とかいろいろ企画イベントあるようですよ。ぜひ旅のお供に井川メンパもご利用ください。http://oigawa-railway.co.jp/




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やんばいでございます。井川メンパ大井屋前田です。紅葉もまさにまっただ中となりました。ぜひ川根本町や井川へ上がる際には井川メンパ大井屋へ遊びに寄ってください。

さて、大井屋の定休日についてまだ曖昧だったので改めてお知らせ致します。

定休日は水曜日です



また不定期にお休みをいただく場合もございますので、その都度お知らせ申し上げます。

2016年12月の不定休日

12月1日 8日 9日 10日 14日 21日 28日 

以上の日はお休みさせていただきます。
遠隔地からお越しの際は念のため店舗電話まで事前連絡ください。
どうぞよろしくお願いします。

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最近塗り直しの作業を気づいた事があります。それはどうやらとてもとても大事な事かもしれないです。井川メンパ大井屋前田ですこんばんわ。

さて、秋の塗り直しですが2週間程で終わらせるつもりが。。。あれ?なんかもう一月くらい取り組んでしまっているような。。。それもいろいろと理由がありまして、例えば塗り直しで入ってくるメンパには当然海野さんがつくったもの、望月さんがつくったもの。はたまたもっともっと前の世代のメンパも入ってきます。時代時代で使っている材料に違いがあったり、手の入れ加減が違っているところがあったりとなかなか見ていて面白いものです。そういうものを扱っているとふとした瞬間に気づくことがあります。

海野さんのメンパを研いでいた時のことです。「あれ?下地の下にさらに何かの下地がある」とかです。
恐らくそのあるものが、あのワインレッド色の赤を引き出す秘訣なので?と今考えていて、そのあるものがなんなのか?顕微鏡を使ってみたり、色んな漆芸の本を調べてみておおよそ検討がついてきました。
次回制作分からそのあたり模倣してみようかと思っております。

さて、11月22日ですが静岡のFMラジオK-MIXモーニングラジラに生電話出演します。修行時代よく通勤中に聞いていた番組に自分が出るとは。ちょっとおもしろいですね。さらに12月1日ですが、NHKBSの鉄道ぶらり旅という番組に井川メンパ大井屋登場します。どうぞよろしくお願いします


いよいよ明日からは仕上げの木地呂漆を塗り、秋の塗り直し修理を終えれそうです。今回は難儀な修理が多かったです。なんでもやるよ!って言っちゃたもんだから師匠が断った修理のメンパが大量に持ち込まれてしまい手間が何倍もかかってしまったけれど、そういうものを扱う時に気づきというのは生まれやすいものかもしれませんね。どれも新品以上に戻って来ています。早く持ち主に帰れることを願って仕上げ塗りたいと思います。


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本日は千頭の駅前でお祭りが開催されました。秋深まる川根路を楽しんでいただけたら幸いです。井川メンパ大井屋前田でございます。こんばんわ。

さて、本日は屋号について

現在の店舗は築50年の古民家で、以前は小学校前ということで文房具屋を営んでいたそうです。そして駄菓子やらも販売していたようです。そしてその当時この店の屋号がそれこそ 大井屋 だったとのこと。

移住して来て、近所の方々に自然と大井屋さんとこのあの人。的な表現で呼ばれるようになり、それがまた皆さん子供のころ学校帰りに遊びに寄った記憶があるらしくとてもポジティブなイメージがするようで。いつしか自然と自分でも大井屋のとこにいる前田から、大井屋の前田に表現が替わっていました。
そこで売主さんに屋号を引き継がせて欲しいとお願いしたところ、快く使用を許可いただけましたので井川メンパ大井屋とさせていただいたのです。

なるべく早く川根に馴染むこともメンパ造りの大切な要素かと思っておりましたが、この屋号のおかげで非常に親近感を持って接してくださる皆様がいることが有り難いです。

また今回大井屋の家紋を新しくデザインしました。望月の系統の九曜紋と井川メンパが代々使ってきた井筒、井桁紋を組み合わせて新しい家紋をつくりました。井筒から湧き出る清涼なエネルギーと、そこには天体そして宇宙を表す九曜紋。無限の宇宙のエネルギーがメンパに吹き込まれることを願って造りました。漆が透けてきたらどうぞ家紋を探してみてくださいね。

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いちだんと千頭駅のポプラ?の葉っぱも真っ赤に紅葉してきました。皆様大井川上流へ紅葉見物にきませんか?本川根町井川メンパ大井屋でございます。こんばんわ!

さて、先月川根での初生産を終えて東京の新宿で販売を始めたところですが、少しはメンパ残ってくれるとは思っていたのですが、甘かったです。現在ほぼ在庫無くなってしまいました。かろうじて小判型のLLサイズのみ5個ほど残すところとなりました。ありがとうございます。そして申し訳ありません。

急ピッチで制作したいところなのですが現在修理の作業を突き詰めていっているので、第二弾の大井屋印メンパの販売は2017年の年明けとなりそうです。紅葉シーズンに来店いただいた場合は、展示品を見ていただき注文生産となります。どうぞご容赦ください。


店舗での実演と見学は在宅であればいつでも対応させていただいております。
今日もお弁当箱の最高峰を目指して精進していきます!
大井川曲りメンパ弁当箱の井川メンパ。どうぞ今後ともご贔屓に!



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井川メンパ大井屋、本日はとある番組の撮影と塗り直しの作業を進めておりました。
ここ最近の低温でなかなか思うように塗り直しが進められず、お天道様にお願い申し上げております!
さて、とある番組についてはまた今度お知らせいたしますが、修理の工程についてしっかりとしたモノサシが産まれてきたのでご報告致します。

まず大井屋の塗り直し修理のスタンスとしては

どんな状態のものでも基本的には断らない

ということに致しました。下地が出ていようがワレが出ていようが、使い続けたいという意志の有る方のものであれば、誠心誠意自分にできる範囲において取り組みます。
しかし当然状態が悪ければ、コンディションを戻す作業は倍ほどの手間がかかります。ですので状態の悪いコンディションの塗り直しにはそれなりの経費がかかると思って欲しいですし、新品同様には戻らない事を念頭に置いて欲しいと思います。そのあたりの価値観が相互理解できるお客様からの依頼のみとさせていただきたいと思いますので、基本的には修理については店舗までお持ちいただいてお話できるお客様のみとさせていただいています。遠隔地の方はまずは電話にてご相談ください。


大井屋の修理の工程
①こくそうるしを使って、ワレや隙間を補修
②底錆、樺錆の剥離、打ち直し
③塩素処理で蛋白質を除去し、水研ぎで研ぎ直し。320番⇒600番
⇒コンディションが悪ければ空研ぎから漆の剥離をする場合もあります
④摺漆にて漆塗り
⑤生漆を刷毛塗り
⑥木地呂を刷毛塗り

概ねこのような工程ですので、漆は都合3回塗るのが通常コースです。
通常コースで回復するメンパはサイズに関係無く3000円とさせていただきます。
下地が禿げて木地が露出しているようなバットコンディションのメンパについては、さらに生漆の工程を増やしますので、コンディションによって3500円から4000円程度かかると思ってください。

サイズに関係なく定額としているのは、修理にかかるコストはほぼほぼ手間賃となりますので、大小に関わらず固定費にて対応させていただきます。

いずれにせよ、ボロボロだったものが息を吹き返していく様はとても気持ちの良いものです。ぜひ親から子へ、孫へと塗り直しして世代を越えて利用していただきたいと願います。その為のお手伝いならば、いくらでも努力させていただきます。どうぞ古きものを大切にしてください。


井川メンパ大井屋 前田

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昨日あたりから川根本町千頭周辺の山も赤く染まり始めました。こんにちわ井川メンパ大井屋前田です。
直前の告知になってしまいましたが、明日川根本町役場本庁前の広場でお祭りがあります。
そこで井川メンパ実演販売しますので、もし川根に来られる方はお立ち寄り下さい

以下詳細
http://www.town.kawanehon.shizuoka.jp/news/newsview.asp?cd=2&id=5543


明日に限りですがブログみましたよ!と声をかけていただいければ千円引きさせていただきます。
秋の感謝祭という感じで楽しみたいと思います。9時半から3時半までです。どうぞよろしくお願いします。

先日千頭の大井神社のお祭りがありました。このへんの祭りは冒頭に天狗様がやってくる感じが枕となって始まる流れがあるようですね。神楽のことなども最近勉強を始めました。おもしろい文化を目の前にして学ばない理由はないなと思ってます。川根の歴史や文化は面白いですよ

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秋の塗り直しを初めておりますが、順調に仕上がってきそうです。修理に出された皆様どうぞもう少しお待ちください。こんにちわ井川メンパ大井屋前田です。
さて昨晩はNHK静岡キー局で10分程度ですが特集をしてくださり反響をいただいており嬉しい限りです。しかしながらここ最近の寒さなのか頑張りのせいなのか?発熱して体調を崩してしまい今日一日お休みいただいておりますので、この際になぜ私が井川メンパを始めたのか?そのあたりについてお話ししようと思います。

私の母は葵区井川から駿河区用宗に嫁に来たので、息子の私は海沿いで産まれ育ち井川の山深い生活というものに憧れや憧憬を心の底の方に持っていたように感じます。その自分の気持ちに気づいたのも30歳を過ぎてからで、自分のルーツや今後の生活や人生の事を考えるようになり一つのキーワードの様な形で井川という土地を意識するようになっていました。
気づけば都会のオフィスで残業しながらグーグル・マップやストリートビューで井川を旅していたりもしました。中学に上がるまでは毎年夏になると井川は小河内の母の生家に泊まりに行って、キャンプをしたり井戸で洗濯したり、川で泳いだり花火を打ち上げたり隣の神社の境内で肝試ししたりクワガタとったりと。それはもう絵に書いたような田舎の風景を満喫したお陰で、母の故郷が自分の故郷という刷り込みがあったのかもしれません。とても素敵な風景と時間が心の中に残っているのは間違いありません。

そして2014年秋に転職するならいっそ井川に移住しよう!と思いたちましたが、仕事が無いとこまるので井川で行きていける仕事をしたいと思い、現在唯一の井川メンパ継承者6代目望月栄一氏にクラフトマンサポート制度も利用して弟子入り致しました。そして2015年をほぼメンパ造りの勉強と修業に明け暮れて、2016年6月に本川根町千頭へ移住し新たに井川メンパ大井屋として活動を始めました。

なぜ井川ではなく千頭に移住したのか?

最近そこをはっきりと説明しなければいけないように感じています。というのも井川に生まれ育った人、その子孫の人、現在井川に住まわれている人。それぞれにやはり井川という土地に強い誇りと愛着を持たれているように感じ、時と場合によれば川根に移住した現実それが誤解を産む可能性もあると思うに至りましたので、今回は私の考えと今後の井川メンパの道についてお話したいと思います。


まず私の中で譲れない命題があります。それは

「井川メンパの技術と存在を永久に残すこと」

この事を第一に考え行動した結果現在の千頭に拠点を構えることになりました。ただし、そこにはもちろん複合的に色々な要素を踏まえて決断しましたので、それを説明して参りますが一番大切にしたいことはまさに井川メンパの継承についてです。

今年の正月明けに修業が一段落し、先々の事を検討するようになりました。ただタイミング的にはまだ井川でメンパ制作をされておりました海野の親方はご存命であり、これから独立してゆくに海野望月両家の商売を邪魔することはできないと思っておりました。

海野家は井川で直営を営み、望月家は市内で卸を営み、井川メンパとしてはバランスを保ちながら共存を経っていたのではないかと思っておりました。ですからその間に参入することは当初より考えておらず、できればマーケットの違う層で勝負したいと思っておりました。つまり県外のお客(曲げわっぱユーザー)や、国外のマーケットで勝負できる事を想定していたので、生産拠点について考えた時に生産する立地については、材料の確保や利便性を考慮しました。調べて行くうちにいろいろな検討をしましたが井川での事業立ち上げにはかなりの困難を伴う事を感じるようになっていました。

製材所もなく、超過疎になっている現状。また井川線の不通による観光客の減少。また静岡市という大きな行政区の中での一つでしか無い立ち位置。一人での移住に伴う個人的な生活の利便性。銀行決済や事務処理機能を賄う選択肢の限界。家族の意見。

こういった井川の問題を考えるに至り、また海野家の商売を考えた時に井川での創業はまだ時期尚早と判断しました。

そして先に上げた理由で、できれば両方の親方の存在やマーケットを汚さない方法ということを検討していくなかで県外移住やいろんな事を想定してみたものの、その中で一番現実味のある大井川鉄道沿線での創業を検討するようになりました。理由としては、私の顧客ターゲットは静岡県民を想定していないので、外への情報発信や、来店のしやすさ、物語としての面白さ。大井川鉄道なら日本全国のお客様と繋がることができる。メンパの価格帯や作り込みの差異を産むことでマーケットの干渉や衝突を防ぐこともできる。材料も手に入りやすい。川根本町が移住者に手厚い。創業補助が受けられる。いろんなプラス材料が転がっていましたのでまずは川根筋と判断しました。
故に今年の2月くらいから積極的に川根筋を週末に訪れ、いろんな場所や土地物件を検討しておりましたが3月の段階で現在の千頭に良い物件を見つけ、瞬間的に全てを決定しました。


それから融資の問題や、移住の段取りに明け暮れておるうちに海野親方の訃報を知りました。しかしながらその段階ではすでに不動産契約の段取りも進められ、役場廻りにも挨拶したり、望月の親方にも千頭行きを後押ししてもらい、舵取りをし直すという事はしませんでした。

井川に住んでつくるからこそ 井川メンパ 

そう考えられる、またそう信心される方もたくさんおられます。実際私も実はそう思っております。しかしながらまず申し上げた最大にして唯一の命題

「井川メンパの技術と存在を永久に残すこと」


このことを再優先するには、今回の千頭への移住と創業は最適な判断だったと個人的には思います。自分が伝統工芸を継承するに至り感じた問題点。それはやはり生業として魅力的なものでなければ生き残れないという現実です。

私は家族の援助のおかげもあり一年と少し無給でも生活ができたので修業をやり切ることが出来ました
。それは本当に幸運なことでした。しかし私に続く後世の皆が、果たして無給で何年も修業ができる時代なのか?それは継ぐ者の責任だと転嫁するのは間違いだと思います。そのような問題を後回しにしていれば後継者が産まれず滅びていくのが目に見えています。また井川メンパの技術を家族でもって継承していくには、継承する者にとってもたいへんな負担であると思います。休みもほとんどなく、身体を酷使して、社会保障もないのでいつ無収入になるかわからないでいる親の姿を見て喜んでその運命を受け入れれるでしょうか?正直無理だと私は思います。

つまり千頭に移住した最大の理由は正にここです。井川メンパという事業を確立して、後世の人が不安なくその手仕事に没頭できる道を造ること。それを今私の世代のうちにやりきること。それが井川メンパを残す最適な方法だと信じたからです。

それには井川の土地よりも現時点では様々なバックアップを期待できる川根での可能性に賭けてみました。最後は自分の感性からの決断ではありましたが、ここである程度事業として働く仲間や組織の構築が図れる段階まで持っていけば、後は井川の土地への恩返しを考えていくべきかと思っておる次第です。

大井川という川に沿っていろんな人生や物語が流れてくるのを感じています。我々の先祖が大切に守ってきた物の物質的象徴が井川メンパとして残るならば、精神的象徴としてそこでの生活が必要なのかもしれません。

それが合わさってこそ、一つの井川メンパである!と感じます。

私が人生を賭けて大井川をどこまで遡上できるか?それはやってみないとわかりませんが、きっとたどり着けるだろうと信じております。今回の報道で井川メンパに興味を持たれた方、山間地への移住を検討されている方、新しい仕事の在り方を模索されている方、お弁当箱が好きな方。どんな理由でも結構です。千頭に起こしになられた際はぜひ井川メンパ大井屋にお立ち寄り下さい


井川メンパ大井屋

静岡県榛原郡川根本町千頭1225−8
050-5894-2806
定休日;水曜 





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