井川メンパ本日の作業はコクソ付けでした。メンパは国産曲げわっぱの中でも特にシンプルな構造になっていますが、側板という曲げている板と底板という天板になる板に別れています。そしてそれらを未来永劫接着するという作業がコクソという工程です。
木と木を接着するのに何がベストか?それは用途によって様々でしょうが、井川メンパはお弁当箱という食器。そう、皆さんの口に入るものを扱う品であります。現代において超強力な瞬間接着剤等は多々あり、それらは安いコストで手に入れることは可能です。しかし、何度も言いますが井川メンパの立ち位置はお弁当箱です。化学物質満載のそれらに頼るべきではないと思います。
コクソとは大昔から伝わる木造の修理や神社仏閣建築の補修でもって行われてきた技法で、地方やモノによってその技は様々かと思われますが、基本的には木屑や漆を混ぜてパテ状にしたもので接着を行う補修方法を言います。
井川メンパでは漆と小麦粉(でんぷん質のもの)を約半々ぐらいの割合で混ぜあわせて、たった一本の棒に漉しつけていきます。木材はテーパーに加工されており、此れにこくそを施してあげるだけでまったく外れない強固な接着になります。つまりただはめこまれているだけという恐ろしくシンプルな構造を可能にしてくれるのが、漆を使った接着だからこそかと思います。
こんな感じで一日中やるわけです。師匠と向かい合いながら無言でやるわけですが、二時間に一度づつくらい会話があります。どうでもいい話や、政治の話、年金の話、何でもありですが稀に良い話もします。そんな中でメンパ=曲げわっぱ=曲物の未来について語ることもありました。
木を加工して曲げる事の利点について。また問題点について。可能性について。
例えば木を掘り上げる刳物。丈夫だが重い。コストがかかるな〜とか。
曲物は木の見立てが難しいが軽い。木材コストは抑えれても、丈夫にするには漆を塗りたくなるな〜とか。
いろんな話しをするものですが、現在はもちろん弁当箱を作っているのでそこに専心するべきだと思っています。しかし、木を曲げて造形を産み出すという手法を発展させていく可能性について。そんな話しの中で師匠は、俺はもう歳だからひっそりと同じ事を守って続けるのだ。そういうのは若手の君達の仕事ではなかろうかい?という話しもしたりするのです。
同じ事の繰り返しという事の中に、とても大事な何かが詰まっていたような気がしています。
その先にきっと皆さんをワクワクさせられる何かが作れる時代がくるように、明日も一意専心で望んで行きたい。来月の京都展にむけて制作順調です。ご期待ください。
また最近問い合わせが多いのですが、井川メンパ製造元では2015年秋の現在在庫が一切ございません。お問い合わせ頂いても販売店を案内せざるを得ません。次回京都展にお越しいただくか、既存の販売店の在庫をお求め頂く他ありませんのでご了承ください。よろしくお願い致します。
木と木を接着するのに何がベストか?それは用途によって様々でしょうが、井川メンパはお弁当箱という食器。そう、皆さんの口に入るものを扱う品であります。現代において超強力な瞬間接着剤等は多々あり、それらは安いコストで手に入れることは可能です。しかし、何度も言いますが井川メンパの立ち位置はお弁当箱です。化学物質満載のそれらに頼るべきではないと思います。
コクソとは大昔から伝わる木造の修理や神社仏閣建築の補修でもって行われてきた技法で、地方やモノによってその技は様々かと思われますが、基本的には木屑や漆を混ぜてパテ状にしたもので接着を行う補修方法を言います。
井川メンパでは漆と小麦粉(でんぷん質のもの)を約半々ぐらいの割合で混ぜあわせて、たった一本の棒に漉しつけていきます。木材はテーパーに加工されており、此れにこくそを施してあげるだけでまったく外れない強固な接着になります。つまりただはめこまれているだけという恐ろしくシンプルな構造を可能にしてくれるのが、漆を使った接着だからこそかと思います。
こんな感じで一日中やるわけです。師匠と向かい合いながら無言でやるわけですが、二時間に一度づつくらい会話があります。どうでもいい話や、政治の話、年金の話、何でもありですが稀に良い話もします。そんな中でメンパ=曲げわっぱ=曲物の未来について語ることもありました。
木を加工して曲げる事の利点について。また問題点について。可能性について。
例えば木を掘り上げる刳物。丈夫だが重い。コストがかかるな〜とか。
曲物は木の見立てが難しいが軽い。木材コストは抑えれても、丈夫にするには漆を塗りたくなるな〜とか。
いろんな話しをするものですが、現在はもちろん弁当箱を作っているのでそこに専心するべきだと思っています。しかし、木を曲げて造形を産み出すという手法を発展させていく可能性について。そんな話しの中で師匠は、俺はもう歳だからひっそりと同じ事を守って続けるのだ。そういうのは若手の君達の仕事ではなかろうかい?という話しもしたりするのです。
同じ事の繰り返しという事の中に、とても大事な何かが詰まっていたような気がしています。
その先にきっと皆さんをワクワクさせられる何かが作れる時代がくるように、明日も一意専心で望んで行きたい。来月の京都展にむけて制作順調です。ご期待ください。
また最近問い合わせが多いのですが、井川メンパ製造元では2015年秋の現在在庫が一切ございません。お問い合わせ頂いても販売店を案内せざるを得ません。次回京都展にお越しいただくか、既存の販売店の在庫をお求め頂く他ありませんのでご了承ください。よろしくお願い致します。