やんばいでございます。東京駅から車で三時間。電車でも三時間半。近いのか?遠いのか?それは気持ちの持ちようです。こんにちわ!井川メンパ千頭本店大井屋店主の前田です。

いや~日中はなんだかぽかぽか陽気な感じになってきました。毎朝起きると外から鳥のさえずりが聞こえて来ます。そろそろツバメの季節ですが、今年は我が家にやってくるのか?毎年家の前を行ったり来たりするツバメですが巣をかけることは未だ無いです。何度か窓から家に入って来たこともあるんですが、まあ今年あたりはきっと来てくれるでしょう。ちなみに大井屋の外観はこんな感じです。わかりやすい看板は相変わらず出していないですからお見逃しないようにご注意ください


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それと前回丸型組子の紹介記事を書いたのですが在庫状況を書き忘れました。

とても言いにくいのですが、、、、ほとんど、、、売り切れ、、、、、てしまいました。すでに

冬メンパではけっこうたくさんセット商品用意していたのですが、先日通販を開始しましたところどんどんセット商品から売れていき丸型の組子商品で現在在庫があるのは本日付けで

丸型LLセット一組だけでございます。ごめんなさい。
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紹介しといて在庫ほとんどねえのかよ!ということになっちゃいましてお詫びと言ってはなんなのですが、本日はちょっと面白空想メンパ歴史のお時間でございます。
メンパは丸型のセットはまた春メンパか夏メンパにご用意できると思います。それまで井川メンパ大井屋ブログでのいろんな面白話で楽しんでいてください。とりあえず前回こんな記事を書きましたね。

木地から読み解く井川メンパのルーツ

山狗様が暗示する大井川と山の関係について

メンパの語源について

今回の記事を読む前にまずこのあたりを読んでおいていただくとメンパとかわっぱとか曲げ物のルーツについて興味が湧くと思います。よろしくどうぞ



さて本題に入りたいと思います。今回はちょっとスケールがデカイ話だ。『曲げわっぱの古代ルーツについて』でございます。

井川メンパのルーツを考える時、当然のようにそのもっと以前の話から考えを及ぼしていかないと行けないと常々思っていたのです。つまりいったいいつどんなタイミングで曲げ物の技術が日本にどういった経路でもたらされたか?というあたりの話を今日はしてみたいと思います。

そもそも曲げわっぱとか曲りメンパというのは曲物(まげもの)という総称で呼ばれるわけですが、この曲物とはどんなものか?わかりやすい本があります。
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曲物(まげもの) (ものと人間の文化史)
岩井 宏実
法政大学出版局
1994-04T


この本を以前買い求めなんとなく読んでいて気になったのが、曲げわっぱというのは考古学的にはどうも平安時代にある日突然日本にやって来たというような表現があります。縄文から平安初期にかけての遺跡からはほとんど曲げわっぱとかそういうものの原型になるものが遺物として出てこないのに、平城京あたりの遺跡から突然出てくると。

そうなんです。ここから推測するとたぶんこのあたりでどこからか入ってきた外来技術になるようです。それも主たる利用先というのが器とかよりむしろ井戸。つまり井筒として利用されていたのが遺跡から出てきている事実があります。

大井屋の屋号について

あまり関係の無い話ですが大井屋の屋号は大井屋。ロゴにも井桁紋を隠し入れているのはもはや偶然の必然のような話ですが、興味がある人は読んでみてね。


その井桁とか井筒を作る技術として当初導入された曲物の技術はこの平安時代あたりに来たというのはなんとなく頭にあったのですが、この本にもそこから先は書かれて居ないわけです。



平安時代のアジア全般と大陸の情勢を見てみるとなんとなく面白いことが見えてきました。
中国本土では唐という王朝が全盛です。日本も遣唐使というのを入れて多くの技術や人の行き来がこの前後に大陸とあったと言われてます。それを頭に入れておいてください。


メンパを掘って行く過程で面白い民族を知りました。それもその名もなんと『メンパ族』



中国とインドとチベットとブータンの国境地帯に引き裂かれるように住んでいる少数部族です

その部族の事を調べていてこんな本と出会いました
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日本語とメンパ語の言語学的類似性から日本語の成り立ちを考察した本です。たいへん面白かったです。良かったのは言葉の類似性のみならず精神性や文化、人間の感性の類似性というのを感覚的にでも紹介していてくれているところでした。

この本の中に面白い記述がありました。メンパ族とはチベット系民族の中でもさらに少数民族であり、木工や竹工に長けているといいます。そしてチベットの歴史を少し。現在のチベット自治区は中国共産党の弾圧であまり内情が知れることが無いのですが、やはり人権侵害甚だしいと聞きます。そしてそれはなぜかといえば中国が以前モンゴルだけではなく、このチベットにも征服というか屈していた時期があります。それがこの平安前後、中国では唐の奥にチベット系王朝の吐蕃というものがあり、一時期かなりの隆盛を極めて中国というか漢民族を支配に近いような状態に持っていったのです。
吐蕃

まあだからといって現在のチベット弾圧につながっているというだけではないけれど、漢民族の根底には深い恨みがあるやなしやでしょうか。そんなこの吐蕃という国に支配者側として隷属していたのがメンパ族なのです。チベット系の王朝ですのでその発生過程で飲み込まれていったんでしょうが、この吐蕃が成長して中国本土に影響を与えるようになり唐を傀儡にして支配を及ぼしていく中で、なんか破滅的な終わり方をして一瞬にして無くなった国とあります。内乱とかで書かれていますけど、まあ暗殺とかいろいろあったんだと思います。兎に角その時に一気に国が滅んで、そこにいたメンパ族はどんな行動を取ったか?
ちなみに当時の吐蕃は仏教国です。日本にも仏教が渡来して間もない頃、遣唐使に紛れてとかなんらかの手段で日本に逃げたのかもしれません。その辺はちょっと推測な話なだけですけど、徐福伝説とか大陸から集団が移住してきたというのは古代ではそんな珍しい話でもなかったのかと思います。


メンパ族とメンパが関係しているのかどうかはまったく根拠はありませんが面白い空想だと思いませんか?木工に長けた民族が流れ流れて辿り着いた極東の山奥でひっそりとその技で食いつないできた。というのはともて面白い空想です。中世以前から荘園社会に属さない山の民にはその存在意義と存在価値があったからこそ生き残れたとも言えます。メンパのルーツを追うなかでこういう話も放って置くより積極的に掘っていってみれば他にも面白いストーリーに出会えるかもしれませんね。


ちなみにチベット自治区は今でも外国人が立ち入ることをかなり制限していますし、近代まで秘境として未だ未開発地域としてあまり情報がありません。今後大井屋はライフワークとしてこのメンパ族やチベット所属とそこにまつわる木工芸に視点を置いて掘っていこうと思っています。

興味のある人、情報お持ちの方はmaedapassion@gmail.comまでご連絡ください。
今後も井川メンパ大井屋の活動をご贔屓いただければ幸いです

井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1076721216.html

井川メンパの通販 
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1076988181.html

メンパやまげわっぱの修理
http://ikawamenpa.blog.jp/archives/1077028710.html

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営業時間 9;00-17;00
定休日 水曜

メンパの塗り直しは2月8月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から
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