やんばいでございます。井川メンパ大井屋店主の前田でございます。こんにちわ!
川根本町はここ数日おもいッきり冷え込みまして、真冬級の寒さにすでになっております。紅葉も一気に来ている感じですので、今週末が紅葉狩りラストスパートかと思います。この機会にぜひ奥大井へ!我が家の裏手も真っ赤かであります。洗濯物は見なかったことにしてください(笑)


















さてさて最近日々悩んでいるのは来春以降いよいよ漆を植えて行きたいなと思い始めているのですが、この植栽は今後10年先20年先に結果が出るだけではなく、今後の大井メンパの歩みを決定すると言っても間違いではない大事な選択になると思っています。どんな方法論で、どのような場所で、どういう未来を描いておくべきか?そんな事を日々悩んではいるのです。

そんな折に漆問屋さんと漆についていろいろ話している時に面白い標語を聞きました。
静岡はかつて全国一の漆器産地だったんですよ。数字的にも明治や大正はダントツに漆器を海外へも輸出していたのは静岡なんですよと。。。。
なので業界では【漆器は駿河塗り輪島】と良く言ったものですと。

現在静岡県下では数えることは容易なほどに漆器事業者は激減しています。今は昔、、、どころではなくすでに一面焼け野原となったとも言えると思います。こんな悲しい話はあまりしたくはないのですが。

輪島塗は全国的にも有名ですし生き残っているのは間違いないのに、なぜ同列で評されていた駿河の漆器が消えていったのか?いろいろと理由はあるでしょうが、やはり静岡大空襲で漆器職人の街が壊滅したのが決めてといえなくもないと思うのです。

とはいえこういう話から井川メンパの立ち位置的になぜこれだけ漆器ハイレベルな土地柄でこの素朴な悪く言えば野暮ったい昔ながらの井川メンパが生き残ってこれたのか?需要があったのか?歴史は偶然ではないと思うのでそのあたりを推察してみたいというところから今回のテーマ

【漆は農業です】という話を少し

漆をここ3年ほど育てたり掻いてみたり精製してみたり、いつものように塗ってみたり。ということをしながら将来の植栽について考えているなかで一つ確信に近い思いが湧いています。それは漆は農作物という観点でとらえた方が俄然腑に落ちるということです。
どうしても木を育てるというところから林業というアプローチで臨みがちなイメージがありますが、まさに戦後漆の植栽にいろんな地方や団体が軒並み失敗に近い結果になっているのはこれが原因だと思っています。
漆の木は山にぽつねんと放っておいても育つ。わけではないのです。ただ育てるだけでなく、どのように育てたかによって収穫量や質が大きく変化する。という事実が良くわかってきました。

漆掻き職人の高橋さんから聞くいろんな話にはそういうヒントがたくさん含まれておりました。ただ漆掻き職人はこれまた掻き子としては漆の優劣はわからないと。ただ質の違いは見たり、舐めたり、掻いだり、感じたりで一目瞭然に地質風土育てた環境ではっきりと出てくるということでした。
最近いろんなところで漆の植栽の動きが出始めています。そういった動きの中で漆の品種や掻き方には今後革新的な新しい方法論が登場しそうなように感じます。とても頼もしいですし、ぜひ真似させていただきたく日々情報を集めていたりします。

ただその中で私大井屋としてはどうしても漆は農業という観点でそもそもを改善して行きたいと思っています。

農業の方法論はもういろいろありすぎて王道を選ぶことすらちょっとむずかしい。ただ私が前述した駿河漆器のマーケットのまっただ中で井川メンパが生き残ったというのは恐らくこの漆を自活していたその漆の質がそもそも凄かったのかもという推論を建てていましてそこから、奥大井の気象条件、地質や水脈との関係、農業のやり方がたぶん漆のそもそもに当てはまっていたのかもと思っています。

要は井川メンパはたぶん自分らで作っていた漆がとても凄かった(丈夫だった)ので駿河漆器のマーケットの中でも生き残れた。ということなんではなかろうかと思っております。

話は前後しますが、漆を植える場所と育てる方法論はとにもかくにも漆自体の全てに影響していると言えるのは間違い無いのです。

ですからこの植えるという行為で、土地がないとかそもそも俺にはお金がないとかという大問題もありますが、そんなことよりも何か確信的にこの場所だ!という出会いが未だ無いというのがいまのところ大問題であります。

ただこういうのはいくらでも時間をかけておくべき話でありますので焦ってはいません。どんな場所に漆を植えるのか?自分でもとても楽しみですし、それまでに農業という分野の阿羅耶識をもそっと耕しておこうと思っております。

















冬になると薪の準備に忙しい

















合間に山の歴史について勉強してみたり。オオカミと漆の面白い関係というのも見えてきたのでまたいつか漏らしてみたいなと思います。

メンパの在庫はまだ小判型についてはいくらか余裕がございます。丸型はだいぶ数が減ってきております。ご来店の際はご希望のサイズがあるか確認の電話いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。

諸々のお問い合せは井川メンパ大井屋まで

静岡県榛原郡川根本町千頭1225-8
050-5894-2806
maedapassion@gmail.com

営業時間 9;00-17;00
定休日 水曜

メンパの塗り直しは2月8月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から
にほんブログ村 ハンドメイドブログ 手作り民芸品へ
にほんブログ村