やんばいでございます。大井川中流部で民藝三昧しております井川メンパ大井屋店主の前田です。こんにちわ!

さて一気に山が秋の感じを醸しだしております。ここ最近の千頭周辺ではございますが、有り難くも11月に入りまして多くのお客様にご来店いただいております。早くも秋メンパがちょっと薄い感じになりつつありますので、取り急ぎ現在のリアルな在庫状況をまずお伝えしておきます。

















現在すぐに使えるシリーズ(塗り上がりから90日以上経過しているものという意味)

小判型LL7組
小判型LL浅口タイプ2組
小判型Lお櫃タイプ(蓋が浅い) 1組
丸型S2組

実は本漆というのは塗ってから約90日程度は硬化するのに時間が必要であると言われております。当然浸かっている漆の強さや質と環境で硬化までの時間は大きく変わるのですが、大井屋の秋メンパ以降の漆には国産も混ざっており力強い反面カブレの心配もございます。ですので塗り上がりの日にちがわかるようになっておりますので、ご利用開始日の相談は必ずお申し付けください。アドバイスさせていただいております。
→ここがけっこう製造販売側としては難しいところで、漆はどんなに精製度を高めた高級品であろうが安いものであろうが最初はその違いがあまりわからない黒味に覆われております。本当に手をかけている漆というのはその後の色味の変化が速くなります。皆さんにはそのあたり特に注意深く観察していただきたいと思っております。

秋メンパシリーズ
小判型LL12組
小判型M15組
小判型S4組
小判型Lセット6組
丸型LL3組
丸型L4組
丸型S4組
丸型SS1組
丸型お櫃タイプ3L2組
丸型お櫃タイプXL1組
丸M浅口2組

お櫃10組程度

となっております。店頭には全てのサイズの展示品は常備していますので、ご来店いただいて好みのサイズを吟味ください。売り切れている場合は予約を承っております。セット商品(組子の商品)は特に人気がございますので、予約をおすすめしております。プレゼントにご利用されたい時はどうぞ早めにご予約いただけますようによろしくお願いいたします。


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さてさて今日は最近考えていた過疎地ビジネスの令和的展開について少しお話を。

私は2015年に井川メンパの修行を行い、2016年にこの川根本町千頭に移住し井川メンパ大井屋を起業しました。正直まったく縁の無い土地でしたが、自分なりのマーケティングをした判断でここを創業の地にしようと定めました。その後ご縁があり結婚や子育てをも現在出来ている現状は偏に私に関わってくださった多くの周辺の皆様やお客様や家族の賜物だと感じております。改めて感謝申し上げさせていただきます。

そして移住後の3年ほどは自らの生活と仕事を切り盛りすることでいっぱいでなかなか俯瞰的に過疎地へ移住した自分を眺めることができませんでしたが、ここ最近子育ても一呼吸できる状況になりつつあり日々の暮らしを再度省みる日々となっております。そんな最近は川根を含め静岡県の山間地に移住されてこられている人材が増えて居ると感じており、より良い人材やエネルギーに満ちた過疎地社会を再構築するにはどんな情報発信が必要か考えていましたので少しそれらをお伝えしておきたいと思います。メンパ制作とはあまり関係無い話ですがご容赦ください。

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自分は20代30代と京都、大阪、静岡市内、東京、横浜と転々と流転するように生活しておりました。人口密集地に住んでいたので、あまりこういう過疎地というところには住んだことがありませんでした。実際に過疎地に移住してみて感じたことがたくさんありますし、再発見した人生観もありました。その辺を踏まえてちょっとお話をしておきたいと思ったのです。

現在川根本町は静岡県でもダントツに人口減少地帯となっており、ものすごい勢いで高齢化が加速しています。具体的な数字を書くと本当に絶望してしまいそうなので、とにかくすごい勢いというのをアピールはしておきたいと思っております。

ただこれらの統計的数字というのはあくまで行政区分に分けられた都合の良い数字なので、本質はちょっと見えにくい。例えば静岡市の山間地はもっと壊滅的な数字に実はなっているはずです。大きなパイの中の一田舎という統計マジックに騙されてはいけない。
自分の実感的には川根本町は確かに数字では破壊的な過疎進行になっていますが、周りの山間地コミュニティに比べてまだまだ踏ん張りが効いているというのが実感としてあります。春野や天竜や安倍奥や伊豆の先っぽに比べてということです。

人が減っている。という事実は確かにあるのですが、私が関わっている地域社会では交流人口(健康で外に出て周りとコミュニケーションがとれている人口)はそれほど減っている感じはありません。それはまだ70代あたりが人口の中心世代となっているからだと思います。これがあと10年するとこの戦中戦後世代がいよいよ引退し始めたあたりがターニングポイントとなるかと思います。2028年前後でしょうか?

以前ブログに書いたこともありますが、過疎地は生き残る側と絶滅する側とに別れるのは必定です。避けられない運命です。であるならば我々移住起業組はどういう選択をするべきかをちょっと考えてみたいと思います。
私が思い描いた未来の山間地生活というのはむしろ都会となんら遜色の無い生活風景です。家の周辺にはwifi環境があり、清潔で広い室内があり、IOTで常に物事を管理し便利に暮らす。物流網の中に入っていて買い物も時間差を感じることがない。そういう時代になるのでむしと空間的コストが劇的に安い過疎地で暮らすというのはコストパフォーマンスが最高だと思ったのです。田舎暮らしの贅沢がより明確だということです。
なのでこれに当てはまる先としてネットインフラ、道路インフラ(物流という意味)、ビジネスインフラ(川根の場合は観光鉄道)的な要素を持っている先として移住したのが川根本町だったわけです。

移住してみて思いました。間違って無かったと。

正直私のメンパ屋にはトーマスとかSLで来たお客さんが流れてくることは100%関係無いのですが、このように周辺にはそれがあるおかげで観光産業が成り立っていますから、食事することやアクティビティを経験することは都会となんら遜色が無いのです。
ビジネス的にも都会でこの規模の店舗を維持することは不可能ですし、制作に置いて充分すぎる空間を持つというのは新しい事を生む要素の一つでした。だから民藝は田舎生活最高です。むしろ都会で民藝やというてやっているのは民藝ではないと思うのですが如何に。

なので胸を張って若い移住者諸君に言いたいのですが「迷うな突っ込め!」と。

ただね。みんな怖いよね。成功や仕事の保証が担保されてないもんね。という問題があると思います。
さんざん調べてもここだけは答えがでないのです。絶対に大丈夫なのか?ということ。

大丈夫です。絶対生活は担保されてます。という話をします。

それは田舎というのは誠実に一生懸命生きていける人にこそチャンスが開ける場所です。という事実です。

何かというとですね、都会というシステムの中ではどんなに誠実に真っ直ぐに生きていようとあまりそれは評価されないし、それを見てくれている人はあまりいません。皆が皆人を見ずに数字や肩書を見ていたりする。それが都会です。

田舎というのはびっくりするくらい。見られている。いや、覗かれていると表現してもいいかもしれません。
→私が移住してきてびっくりしたのは、自分の行動や言動が周囲のコミュニティには筒抜け状態ということでした。これは悪い意味で言ってますけど、確かに最初はなんでもバレてる。感がとても不安に思ったのです。例えばメンパ屋はメンパ作る前に彼女作ったそうだぞとか、メンパ屋は材木を探しているそうだぞと、メンパ屋は酒を飲むと面白いぞとか、知らない爺さんが事前情報でそういうことを向こうは知っていたりします。まあ、その彼女は今の嫁さんになったのでええんですがね(笑)

話を戻しましょう。

見られている。覗かれている。という事実を逆手に取って、より真っ当に一生懸命生きているのを見せれていれば移住者の生活は担保されるのです。

どういうことかというと、田舎には仕事が無い。っていうのは実は嘘で、いくらでも仕事はあります。ただそれが雇用関係を生むような仕事じゃなかったりすることが多いだけです。ちょっと山仕事、畑仕事、観光地仕事というのが山のように人でが足りていなかったりしますが、田舎に移住して真っ当に生きていると、あいつは信用出来る!という流れさえ手に入れると自然と仕事を依頼されたりします。
自分が例えば仕事が無くて困っている。という話をどこかで漏らせばいつの間にか向こうからこういう仕事せんか?という風に話を持ってきてくれたりします。これを担保として表現しましたが、田舎ちゅうところは信じられないくらいに覗かれながら生活していると言っていいと思います。ですからそこを逆手に取れと言っているのです。

都会でどんなに誠実に生きていようとも、それはあまり意味が無いとは言いませんが、それを見てくれている人というのが相対的に少ないのです。都会なのにです。それだけ都会というのは孤独な社会ということです。

信用というのはすぐには憑いて来ませんが、憑依したその時に絶対的なエネルギーとなるわけです。怖いなこの表現。でもそれが事実だと思います。


そんな難しいことじゃないです。真っ当に生きるというのは誠実に生きるだけのことです。人を裏切らない。傷つけない。周りと仲良く生きていく。ただそれだけのことなのです。

ただそれだけのことを念頭に生きていきたい人こそ、ここ川根に集結しませんか?そのお手伝いならメンパ屋は身命を賭してお手伝いさせていただきたいと思っております。移住にお悩みの方はぜひ井川メンパ大井屋までご連絡ください。今後も大井屋の活動をご贔屓くだされば幸いです。


諸々のお問い合せは井川メンパ大井屋まで

静岡県榛原郡川根本町千頭1225-8
050-5894-2806
maedapassion@gmail.com

営業時間 9;00-17;00
定休日 水曜

メンパの塗り直しは2月8月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から
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