やんばいでございます。井川メンパ大井屋前田です。
さて今日は錆漆に使う珪藻土について

以前にもブログに書いたのですが、井川メンパの最大の特徴として独特な錆漆付けというのがあります。
漆と砥粉を混ぜてペースト状にしてカバ桜をコーティングしたり、曲げ板と底板の間を隠す底錆というものに使います。

以前は砥粉(京都のメーカーから仕入れた一般的なもの)を使っていました。
砥粉にも赤砥粉、黄砥粉、白砥粉などいろいろあるのですが赤砥粉を使っていました。しかし井川メンパ大井屋では古代井川メンパの復刻を目指しているので、これについても井川周辺で産出された可能性を探っています。

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以前カジさんという方に頂いた珪藻土。これを砕くと粉になります。
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京都は山科さんの黄砥粉。目が細かい。

これらをブレンドして使っているのですが、それぞれに特徴があります。
珪藻土が多いと肉持ちが悪く水っぽくなりやすい気がする。砥粉が多いと肉持ちが良い分強度が弱い感じがする。後色味が明るすぎる。

そのあたり探り探りで配合をしていますが、まだこれといった感じがはっきり見えてこないのはなぜだろうか?と考えていました。

恐らく井川産の珪藻土が必要なんだろうと思う。昔のメンパを見比べて、何をどうやって使ったのか?という推測をしてゆく。ちょっとづつ先祖に近づいている感じがしているのです。
幸いまわりには南アルプスの専門家達が幾人か集まってきております。井川の成り立ち、歴史的検証、民話そういった部類からもヒントがたくさん転がっていると思います。ベトを探してゆく旅もそろそろ始めないといけないのかもしれません。

漆のこと、檜のこと、地の粉のこと。

まだまだメンパは進化していくはずだと心に語り今日も生活即工藝的人生です。

今後も井川メンパ大井屋の活動にご贔屓いただければ幸いです