さて水曜日。定休日ですのですいませんがお店はやっておりません。金曜日以降に来てくださいね〜
そんな大井屋の休日でも前田色々やることてんこ盛りです。諸々捌く前にブログでもかいとこと思ってイマココです
来週からまたメンパの漆塗りに突入します。ですから今週はメンパの下地工程をやっておったのです。
井川メンパは柿渋を使った渋下地という方法でメンパの下地を作っています。大井屋の自慢というか他と違うところはこの柿渋も自家製で作ったものを5回以上塗りたくるということを心がけております。あっちのメンパ屋さんは何回塗ってるんでしょうね?どこからどんなもの買ってんでしょう?聞いてもいいんじゃないですかあ?漆ばっかり気にしている勢はこの柿渋のこと知らない人がほとんどなんです。工芸とか美術品を舐め回して権威者の書いた書評なんかでこの下地はどうのこうの、堅牢さがどうのこうの、風合いがどうのこうのと言いたくなる人が多いようですが柿渋のことほとんど君な知らんやろ?って思ってます。
俗にいう柿渋下地が下物扱いされていること。これにはまず抗議をしたい。松田権六あたりが渋下地を大衆向けだとかそのようなことを言うたもんだから現在この渋下地をやっている産地はほとんど無くなっちまったことにまずドロップキックかましたいと思っております。
大井屋はこの渋下地の話は結構前からいうてきているわけです
メンパには柿渋下地しかやれないというのではなくて、柿渋下地が最適解だからやっていると思って欲しいのです。他の漆器が既にここ何十年も渋下地を捨て去ってきたので柿渋下地をずっとやってきた井川メンパは漆器界のガラパゴスだというのも頷けるはずです
ね。漆器のレジェンド達もほとんどやったことすらない渋下地。誰が言ったの?渋下地は大衆的で下物だってYO!!日本の漆器界はこのどこでもやっていた渋下地を捨て去ったせいで漆器が高級品なのに扱いづらいものだと認知させてしまって、世の中から漆器が消えていったのは何もシンナーとかの有機溶剤だけの問題ではなく、この渋下地を卑下し堅地信仰を推してきたからだともいえます。
どういうことか?
まず本堅地ってなんのこと?
錆下地
漆器はいきなり漆塗ってるわけじゃなくて、一旦何かしらの下地をやるんですが井川メンパの面白えところはこの絶滅危惧種の渋下地を現代まで止めることなくずっと護ってきたことだったと思う。ただ塗る回数が1回とかに減らされてしまい、下地の意味をなさないような感じになってきてしまっていた。そこを元の姿に戻さないとと思ったのは大井屋の俺だこんにちわ
木を軽くする。それだけじゃない。言い忘れてたけど、さらに大事なのは柿渋による防水性なのです。これが漆器の扱いをどれだけ楽にするか?今日はそういうお話です!!!
そう。漆器って洗い方や保管の仕方間違えるとすぐ壊れるってイメージありません?それってどういうことなの?ってお話
輪島塗が丈夫なのは言うまでもない。とても硬い。それはなぜか?簡単に言えば鎧着ているようなものなのです。
何層にも塗り重ねられた漆の鎧をきているようなものなんです。それが麻の布の層もあったりとかしてガチガチに硬め混んでいる。だから丈夫なのです。
ただ漆ってのは少なからず水分を透過もします。だ、か、ら、漆器は水につけ置きダメ絶対!!!と言われてきています。だって奥の木が水を吸えば木は膨張しますよね?乾燥してまた膨張して乾燥して膨張してってやっていると上の鎧はパキッといくので水は吸わせるな。使ったらまた極度に乾燥しすぎない水屋箪笥のような空間で保管しておけ!っていうのはそういう構造だからなんだと思うのよね。
だから輪島塗のようなものは冠婚葬祭とか盆と正月くらいしか使わないで置いておいたってのはそういう漆器としての環境を維持する必要性がある作りだったからとも言えると思います。例えばメンパのように毎日使う弁当箱だと毎日洗いますよね?そして毎日水分を吸収もするし乾燥もするしという漆器にとっての環境変化が激しいと輪島塗だとか錆下地では成立しないから井川メンパは渋下地を使うわけです。
現代において漆器に上物も下物も無いと思うのです。柿渋も買うとなるとまあまあ高いのです。だから昔のように何回も塗らなくなったのでしょう。大井屋が自家製にこだわっているのはこの柿渋が割とたくさん使えば漆のコストとそないに変わらなくなる現実を知っているから自家製でやらざるを得ないということでもあるのです。だって5回も6回も塗るんです。修行したやり方より3倍の労力とコストがかかっているのです。そういうのみんな知らんでしょ?もっと聞くべきなんですよ作っている人に根掘り葉掘り。
めんぱの木は全て檜を使います。その檜の防水性を高めておくことで、メンパに塗った漆や錆の剥離を防いでいるのもの柿渋のおかげだということなんです。
誰か有名な人が権威ある人間がこうだ!というと皆足並みはそちらに向けすぎなんですよね。だから日本から渋下地が消えた。それは本当に残念だと思う。かつて農村に山ほど渋柿があったのに我々はその原風景を文化と共に消していっているなあと感じます。農村に柿の木もっとあるべきだし、そうあるべきにはみんなが柿渋の利用と実践を行うべきだなあと思うのです
ということで俺っち大井屋は柿渋もたくさん作っている。作ってみたい人は相談にくるといいで!ではまた〜
2023/6月在庫と通販対応再開について
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大井川メンパ大井屋価格表と予約再開のお知らせ
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2021・11月より井川メンパ大井屋から大井川めんぱ大井屋へ名称変更したの話
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大井川めんぱ憲章 大井屋の守り継ぎたいこと
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曲げわっぱやめんぱのボンド仕様について
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大井屋漆ギャラリーくるみんじょオープンのお知らせ
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大井川メンパを購入する前に知っておきたい10のこと
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伝承は本当だったメンパ飯の美味しい食べ方
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メンパ修理の持ち込み先(島田市)
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井川メンパの塗り直しは1月にまとめて行っております。塗り直し代金はSサイズ3千円から。静岡県中部の方は店舗までお持ち込みください。
ただし大井屋で販売した大井屋印の井川メンパは年中いつでも修理対応いたします。また全国どこからでも郵送にて送ってください。優先して対応しております。
メンパは塗り直しだけではなくリメイクしてタッパー型のおかずメンパにすることができます。お弁当として引退したメンパはタッパーメンパにリメイクしてぜひご家庭にて使い続けてください。
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